アインシュタインの天使 金子務+荒俣宏 著
はじめに落下があった。リンゴを食べたアダムが落ちて、ひとは重力の世界に住まうことになる。水車や時計から治水に至るまで、落下のエネルギーの制御が文明を開く。地上界の垂直落下運動と天上界の円運動の認識に始まる「科学」。そして一般相対性理論の着想の契機となった屋根職人の落下。こうしてアインシュタインの、神の物理学が解剖される。
私は神のパズルを解きたい NHKアインシュタイン・プロジェクト 編 金子務 監修
飽くことなく神の考えを知ろうとした科学者の、思考と生の全振幅は、どのように計るべきか。遺言に基いてヘブライ大学に寄贈され〈アインシュタイン・アーカイブ〉として保管されている約四万点の資料の中から、NHKが調査発掘した新資料を中心に、彼の〈エクリ〉と、肖像ほかの映像を編集して、ここに〈彼自身によるアインシュタイン〉を現出させる。
科学の極相 思考の対位法 法橋登 著
意識と言語を司る新皮質から化学言語によって内臓と感情を御す辺縁系、そして本能の座である基底核と、脳は考古学的層を成す。理性脳、情動脳、反射脳だ。脳の働きの産物である文化は脳に再参入しあるいは相互作用する。時代の思考ループの切断が創造である。量子力学から生物学、経済学さらには芸術まで、思考の生態系を解析しその転換をはかる。
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