家族複合 ジャック・ラカン 著 宮本忠雄+関忠盛 訳
パラノイア問題に発する臨床医ラカンの思考は、〈鏡像段階論〉を経て精神分析に接近し、〈家族〉という心的ドラマの解析に至る。離乳複合−母親イマーゴ、侵入複合−同類のイマーゴ、エディプス複合−父親イマーゴの検討を通して、自我構成の過程を描出する。家族という言語の場における〈父の名〉の排除というテーマを語る後年のラカンへの過程。
彫像の男 フロイトと父の隠された過ち M.バルマリ 著 岩崎浩 訳
精神分析とは息子を告発する理論だ。フロイトはなぜエディプスの父ライオスを黙殺するのか。 ソフォクレス、ウェルギリウス、イプセン、モーツァルト等、 フロイトが偏愛しあるいはその理論形成に与る作品と、フロイト家とのあまりの暗合。伝記と臨床との交点に湧出する謎に迫り、フロイトの方法によってフロイトに問う。父の過ちとは、はたして何か?
こころの原点 かわりゆく人と人の間で 小此木啓吾 著
高度の人間代理機能システムとのテクノシンビオシス化と操作人間の輩出、スーパーウーマン幻想の出現と〈性=結婚=母〉の聖三位一体の崩壊、エイジレス時代の進行、緑の原理から交換と契約の原理への移行など、激変する現代日本人の精神生活と心の危機を分析する。そして、自己-対象と心のリアリティーなど、変化に対応できる原点を描き出す。
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