新しい唯物論の喜びへといざなう論文集――脱構築思想の批判的継承者マラブーの論考15本を収載。ヘーゲル弁証法の可能性を問い直しつつ、ニーチェ/フロイトからドゥルーズ/バトラーまでの現代思想を俎上に載せるとともに、脳科学の可能性を哲学の試練にかけて、神経の可塑性、病態失認、クローン技術などを考察する。哲学と脳科学との対話によって現れる〈真ん中の部屋〉への招待。シリーズ〈哲学への扉〉、第8回配本。
序文より:「私が望んでいるのは、本書全体が哲学と科学のアクチュアリティへのアプローチをなしうることである。このアプローチは、どうしても部分的なものではあるが、新たな道を切り拓き、物質に即して自由を思考する別の方法を提起しようとするのである。かならず弁証法的で脱構築的ではあるが、さほど抽象的ではない生のあり方に依然として結びついている新しい唯物論を練り上げられると私は信じている。その喜びが欠けることはないと願っている」。
原著:La chambre du milieu : De Hegel aux neurosciences, Hermann Éditeurs, 2009.