谷川雁の苦闘と絶望を森崎和江『闘いとエロス』から救い出し、雁の思想の最深部に迫る。闘争をともにした「戦友」が60年の時を経て結晶させた、数ある谷川雁論のなかの最良の達成。
【本書は2024年10月に私家版として刊行された『谷川雁の黙示録風革命論』に2019年執筆の「谷川雁の東洋思想的階級意識論」をあわせて1冊としたものです】
酒井隆史氏推薦「本書を通してわたしたちが知らされるのは、戦後のプロレタリアのたたかいとそのもちえた質のいまだくみつくされざる遠大な射程である。谷川雁を註釈するということは、そのたたかいの深みと幅をたどるということなのだ。谷川雁という戦後最高の詩人、思想家についてこれまで書かれた最高の論考である。筆者にしかなしえなかった仕事だろう」。