歴史を題材とする幻想的な映像作品で世界から高く評価されているシンガポール出身の現代アーティスト、ホー・ツーニェン。第一特集「映像と時間」では、氏の来日講演録を掲載するとともに、その業績を振り返る。第二特集「表象文化論の批評性」では、批評の不可能性が問われる現代における表象文化論の役割を討議。併せて、ポスト・トゥルース時代を先見したリチャード・ホフスタッターの伝説的論文「アメリカ政治におけるパラノイド・スタイル」を初訳し、話題の「無知学」のフランスにおける実践例も紹介する。
表象17
¥2,000 (税別)
特集:映像と時間――ホー・ツーニェンをめぐって
表象文化論学会[発行] 月曜社[発売]
- 刊行年月:2023年8月
- A5判並製224頁
- 210x148x15mm
- 320g
- 本体価格2,000円
- ISBN:978-4-86503-168-3 C0010
目次
巻頭言:門林岳史「コロナ禍と批評的距離」
◆特集(1)映像と時間――ホー・ツーニェンをめぐって
馬定延「空白を想像する」
ホー・ツーニェン「映像と時間」新井知行訳
◆特集(2)表象文化論の批評性
共同討議「表象文化論の批評性」石岡良治[問題提起]+入江哲朗+清水知子+橋本一径[司会]
リチャード・ホフスタッター「アメリカ政治におけるパラノイド・スタイル」入江哲朗訳・解題
イラナ・ロウィ「黙殺された身体?――女性の身体をめぐる知と無知の同時生産に向き合うフェミニストたち」橋本一径訳・解題
ブックガイド「表象文化論の批評性」
◆投稿論文
阿部幸大「ヴァージニア・ウルフをトラウマ理論で読まない──『ダロウェイ夫人』のシェル・ショックとジェンダー」
神田育也「監督の生存戦略──フェデリコ・フェリーニの作家主義再考」
新田考行「オペラと反実仮想──声、ストーリーテリング、パフォーマンス」
渡部宏樹「刺青に突き立てられる刃――『ゴールデンカムイ』における皮膚上の記号作用とギャグの機能」
◆書評
渡名喜庸哲「人称主義の此岸で──伊藤潤一郎『ジャン゠リュック・ナンシーと不定の二人称』書評」
角尾宣信「夕焼雲の彼方への道――久保豊『夕焼雲の彼方に――木下惠介とクィアな感性』書評」
鈴木亘「ブランショを聴く──髙山花子『モーリス・ブランショ――レシの思想』書評」
長木誠司「語られる武満から思考される武満へ──原塁『武満徹のピアノ音楽』書評」
香川檀「〈交換可能性〉の彼方になにを見るか──松岡佳世『ハンス・ベルメール──身体イメージの解剖学』書評」
表象文化論学会(The Association for Studies of Culture and Representation)
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