マルチチュードの文法 現代的な生活形式を分析するために
パオロ・ヴィルノ

品切

廣瀬純[訳]

品切重版未定

ネグリ+ハート『〈帝国〉』の最重要キーワードを丁寧に解説

  • 刊行年月: 2004.02
  • 46判並製カバー装264頁
  • 本体価格2400円
  • 19cm
  • ISBN:4-901477-09-9

ネグリ以後のイタリア現代思想を代表する論客ヴィルノの本邦初訳!
「マルチチュードとは〈多数的なもの〉あるいは複数性を意味します。それは、国家という〈政治的決定の独占〉に身を任せることなく 公的領域のなかで協力して行動する各人の総体のことを意味するのです」。
『〈帝国〉』ではその由来が明示されなかった最重要概念を講義形式で明瞭に解説。
国家に従属する「人民」概念との鋭い対立のもと、スピノザの『国家論(政治論)』において「マルチチュード」概念は生まれた。 それは、大量生産と大量消費の時代を過ぎ越し、資本主義社会への隷属と抵抗のはざまに生きている現代人の生の実態を明かすキーワードでもある。 注目の書、ついに発売!

原著 [イタリア]: “Grammatica della moltitudine: Per una analisi delle forme di vita contemporanee” 2001 ,Rubbettino / 2002, Derive Approdi.

目次

日本語版のための序文
序章 人民vsマルチチュード—-ホッブズとスピノザ/追い払われた複数性—-「私的なものと」と「個的なもの」/《多数的なもの》への三つのアプローチ
第一章:懸念と防御(一日目)怖れと不安という対の彼方へ/共有のトポスと「general intellect」/公的領域なき公共性/ 《多数的なもの》のための《一者》とは?
第二章:労働、行動、知性(二日目)ポイエーシスとプラクシスとの併置/ 名人芸について—-アリストテレスからグレン・グールドへ/パフォーマンス芸術家としての〈話す存在〉/文化産業—-先取とパラダイム/ 舞台上の言語活動/労働における名人芸/楽譜としての知性/《国家理性》と《脱出》
第三章:主体性としてのマルチチュード(三日目)個体化原理 /曖昧な概念—-生政治/マルチチュードの諸々の気分/世間話と好奇心
第四章:マルチチュードとポストフォーディズム的資本主義についての10のテーゼ
付録:パオロ・ヴィルノ インタビュー「両義的な条件—-〈general intellect〉・脱出・マルチチュード」
訳者あとがき

紹介記事

  • 渋谷望氏書評(「図書新聞」2004年3月27日号/4月3日号)
  • 阿部潔氏短評(「週刊読書人」2004年7月30日号「特集=印象に残った本 二〇〇四年上半期の収穫から」)
  • 著者パオロ・ヴィルノ インタヴュー〔聞き手:廣瀬純〕「診断=状況分析から予後=見通しへ」
  • (「季刊InterCommunication〔インターコミュニケーション〕」No. 50 2004 Autumn)
  • 毛利嘉孝氏短評(「美術手帖」2005年1月号「アートを多角的にとらえるためのブックガイド 社会学・文化研究とアートがわかる」)
  • 山之内靖氏短評(「毎日新聞」2005年5月15日号「この人・この3冊 カール・マルクス」)
  • 中山元氏書評(「KINOKUNIYA書評空間BOOKLOG」2007年9月1日付

パオロ・ヴィルノ Paolo Virno
1952年ナポリ生まれ。ネグリらのもとで70年代に参加した反体制的革命運動により、1979年から3年間投獄される。シナリオライター、ジャーナリスト(日刊紙「 il manifesto 」)、 出版社の編集者などを経て、現在はカラーブリア大学コミュニケーション倫理学教授。
主な著作には次のものがある(すべて未訳)。『慣習と唯物論』1986年、 『世界性----感覚経験と公的領域とのあいだの「世界」という観念』1994年、『パロールを伴うパロール----言語活動の権力と限界』1995年、 『現在の想起----歴史的時間についての試論』1999年、 『脱出のレッスン----言語活動と政治行動』2002年、『言葉が肉となるとき----言語活動と人間本性』2003年など。 マイケル・ハートとの共編に『イタリアのラディカル思想』1996年がある。

訳者 :廣瀬純(ひろせ・じゅん)
1971年東京都生まれ。1997年、早稲田大学大学院文学研究科修士課程(芸術学)修了。 1999年、パリ第三大学映画視聴覚研究科DEA課程修了(仏政府給費留学生)。現在、パリ第三大学映画視聴覚研究科博士課程に在学中。
「カイエ・デュ・シネマ・ジャポン」、「現代思想」、「インパクション」などに映画論・社会論の論文・翻訳多数。訳書に『ドゥルーズ----映画を思考する』 (増田靖彦との共訳、勁草書房、2000年)、共著に『カンヌ映画祭の50年』(樋口泰人編著、アスペクト、1997年)、 『市民のアソシエーション』(コリン・コバヤシ編著、太田出版、2003年)がある。

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