思想家 岡本太郎
江澤健一郎

¥2,600 (税別)

2025年05月23日取次搬入予定

  • 刊行年月:2025年5月
  • 46判並製256頁
  • 縦188mm×横130mm×束15.5mm
  • 重量365g
  • 本体価格2,600円

ISBN:978–4–86503–206–2 C0070

 

 

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縄文、ケルト、《太陽の塔》、対極主義、沖縄、東北など無数の異なる日本に切り込む思想家としての岡本太郎を、バタイユ研究者が浮かび上がらせる全く新しい試み。ヘーゲル弁証法を批判するその知的営みに、他の弁証法的論客――岡本太郎のパリ時代の盟友であるバタイユをはじめ、ベンヤミン、ディディ=ユベルマン、そしてドゥルーズ=ガタリを接合することによって、予定不調和な星座を描きだす。渾身の書き下ろし。

目次

序 岡本太郎の思考

第一章 
対極主義の誕生

1 抽象創造協会の時代

2 ネオ・コンクレティスムから《痛ましき腕》へ

3 対極主義の萌芽

4 歴史の終焉と非終焉--岡本太郎とコジェーヴ

5 使い道のない否定性--バタイユの反駁

6 マルセル・モースの講義

7 社会学研究会--聖なるものの弁証法

8 秘密結社アセファル

第二章 縄文土器と伝統--抽象線論

1 帰国から終戦へ

2 夜の会から縄文土器論へ

3 伝統論

4 縄文土器との出会い

5 縄文土器論

6 抽象と感情移入

7 感情移入的抽象

8 縄文の抽象線

9 四次元との対話

第三章 ケルトの抽象線と不定形

1 縄文からケルトへ

2 綾取りから組紐文へ

3 組紐文の呪力

4 不定形の思想

5 色でない色、形でない形

第四章 太陽の塔--ピープルを招来する芸術

1 太陽とピープル

2 呪われた部分

3 日本万国博覧会と風景

4 太陽の対極性

5 黒い太陽

6 《太陽の塔》と大屋根

7 伝統論争、有孔体

8 テーマ展示

9 過去--根源の世界

10 生命の樹

11 未来--進歩の世界

12 現在--調和の世界

第五章 無数の異なる日本を求めて--東北から沖縄、そして世界へ

1 日本再発見

2 「なまはげ」の生成変化

3 鹿踊りの生成変化

4 沖縄訪問

5 なにもないこと、それでもなおあること

6 「ある」と「ない」の弁証法--イヌクシュ

あとがき

著者:江澤健一郎(えざわ・けんいちろう) 1967年生まれ。フランス文学専攻。博士(文学)。立教大学兼任講師。著書に『バタイユ』(河出書房新社)、『ジョルジュ・バタイユの《不定形》の美学』『中平卓馬論』(いずれも水声社)。訳書に、ジョルジュ・バタイユ『内的体験』『有罪者』『ドキュマン』(いずれも河出文庫)、『マネ』(月曜社)、ジョルジュ・ディディ=ユベルマン『イメージの前で〈増補改訂版〉』(法政大学出版局)、『場所、それでもなお』(月曜社)など。

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