1997年にヒステリック・グラマーから刊行された写真集『Daido Hysteric No.8』が、増補され全面再編集されて、『新宿+』と同じ、ポケットサイズで蘇ります。
「二十歳少しまえのぼくの日常は大阪だった。その頃の大阪、その頃のぼくをいま思い返すと、それはほとんど絵空事として瞼に映るばかりだ。当時若いぼくにとって、心の針はひたすら東京へと指しつづけていた。そして現在、ぼくの心の針は再びぐるりと回転し、大阪の街々へと立ち戻りつつある。それは、大阪に生れたぼくの郷愁であろう。ただ、レンズの向うに映る大阪の街頭は、いまも相変らずしたたかで、いとも簡単にぼくの郷愁を裁ち切ってしまう」(森山大道)。