過激で鮮烈でスキャンダラスな思想家のエッセンス――。革命と犯罪、ジャズから歌謡まで、縦横無尽に論じて、いまなお支持を集めつづける思想家・平岡正明の100冊あまりにおよぶ全著作から、そのエッセンスを全2巻、1000ページ余に凝縮し、ときにドゥボール『スペクタクルの社会』やドゥルーズ=ガタリまでをも想起させるその先駆性、革命性を一望する。1962年から2005年までの40篇を収録。上巻に革命論、下巻に大衆文化論を中心に収録。※「山口百恵は菩薩である」「犯罪あるいは革命に関する諸章」など長編評論は抄録です。
五木寛之氏推薦文「平岡正明は、かつて「山口百恵は菩薩である」と宣言した。それは逆だろう。平岡正明こそが菩薩なのだ。菩薩とは真の仏を求める修行者の謂である。そして菩薩は「すべての大衆が救われない限り自分は仏にならない」と宣言した。平岡正明は未完の仏である。彼の言葉は否定から生まれた大いなる肯定の言説であり、未完の魅力と栄光を帯びて年月と共に新しい」。