スティーヴ・レイシーとの対話
ジェイソン・ワイス

¥3,500 (税別)

小田中裕次[訳]

音楽哲学と生の軌跡

  • 刊行年月: 2020.10
  • 46判並製448頁
  • 本体価格3,500円
  • 18.8 x 13 x 2.5 cm
  • ISBN 978-4-86503-102-7

ジャズ・モダニスト第二世代の中でも、ひときわ特異なキャリアと音楽性をもったミュージシャンの、音楽哲学と生の軌跡!
レイシーが生涯にわたって格闘した、ジャズ/生活/言葉/インプロヴィゼーション/構造を解き明かす、45年間[1959年=25歳から亡くなった2004年=69歳]のインタビュー34編+13編の自筆メモ+3曲の自作曲楽譜を収録。
【特別寄稿】大谷能生「レイシー・ミュージック」の複層性

原著:Steve Lacy Conversations, Edited by Jason Weiss, Duke University Press, 2006.

目次

謝辞
PART1  対話
編者まえがき
1 スティーヴ・レイシー紹介(一九五九年)
2 いちばん好きなもの(一九六一年)
3 モンクの国(一九六三年)
4 さよならニューヨーク(一九六五年)ガース・W・ケイラー・ジュニア
5 誠実なるレイシー(一九六五年)フィリップ・カール
6 二十六人の新人ジャズメンへの質問(一九六五年)
7 スティーヴ・レイシーは語る(一九七一年)ポール・グロ=クロード
8 インプロヴィゼーション(一九七四年)デレク・ベイリー
9 証言〔Evidence〕と省察〔Reflections〕(一九七六年)アラン=ルネ・ハーディ/フィリップ・クィンサーキュ
10 演奏とプロセス、音楽的本能について(一九七六年)レイモン・ジェルヴェ/イヴ・ブリアン
11 心の中に(一九七六年)ロベルト・テルリッチ
12 ひらめき、隔たり、跳躍(一九七九年)ブライアン・ケース
13 道を探して(一九八〇年)ジェイソン・ワイス
14 『ソングス』スティーヴ・レイシーとブライオン・ガイシン(一九八一年)ジェイソン・ワイス
15 知られざる巨人?(一九八二年)グザヴィエ・プレヴォ
16 “フューチャリティーズ”(一九八四年)イサベル・ガローニ・ディストリア
17 長距離プレイヤーの孤独(一九八七年)ジェラール・ルイ
18 楽器の練習と探求について(一九八八年)カーク・シルズビー
19 芸術に悩みは尽きず(一九九〇年)クリスチャン・ゴーフル
20 専門的な話〔ソプラノサックス〕(一九九〇年)メル・マーティン
21 生き生きとしていなければ(一九九一年)ベン・ラトリフ
22 声について スティーヴ・レイシーとイレーヌ・エイビ(一九九三年)ジェイソン・ワイス
23 “小さな花”をS・Bへ(一九九四年)フィリップ・カール
24 彫刻とジャズ(一九九四年)アラン・キリリ
25 余計な音はいらない、もう十分だ(一九九五年)フランク・メディオニ
26 “リヴィング”・レイシー(一九九五年)ジェラール・ルイ
27 スクラッチング・ザ・セヴンティーズ(一九九六年)エチエンヌ・ブリュネ
28 パリのことは忘れよう(一九九六年)ジョン・コーベット
29 若かりし日々(一九九七年)リー・フリードランダー/マリア・フリードランダー
30 素晴らしき三十年(二〇〇〇年)フランク・ベルジェロ/アレックス・デュティ
31 パリよさらば(二〇〇二年)ジェラール・ルイ
32 透明ジュークボックス(二〇〇二年)クリストフ・コックス
33 ボストンからの挨拶(二〇〇三年)フランク・メディオニ
34 芸術としての歌曲  スティーヴ・レイシーとイレーヌ・エイビ(二〇〇四年)エド・ヘイゼル

PART2  文章
MEVノート
ローバ
ガーデン・バラエティ
FMP十周年記念
モンクはどうしているだろうか?
彼は飛んでいた
高層大気圏にて アルバート・アイラー
四郎と私
ショート・テイクス
吉沢
メイド・イン・フランス
曲の引用源
合宿研修者の募集

PART3  楽譜
Dreams(一九七五年)
Mind of Heart(一九八二年)
3 Haiku(一九九八年)

紹介記事

  • 松尾史朗氏書評(「レコード・コレクターズ」2021年2月号「INFO.STATION BOOKS」欄「自発的な求道者がゆむぐ驚異的に破綻のない言葉たち」)
  • 塚原立志氏書評(「ミュージック・マガジン」2021年1月号「BOOK」欄)

スティーヴ・レイシー(Steve Lacy)
1934年 7月– 2004年6月。ニューヨーク出身のソプラノサックス奏者/作曲家。 50年代初めにディキシーランド・ジャズから出発し、セシル・テイラー、ギル・エヴァンス、セロニアス・モンクとの邂逅を経て1960年代にフリー・ジャズの世界へと向かい、ヨーロッパへ移住。70年代ポスト・フリー時代以降は、インプロヴィゼーション音楽の領域で、詩、歌曲、ダンスを融合させた独自の音楽世界を探求し続けた。2002年に帰米し、ボストンのニューイングランド音楽院で教えた。1975年以降、間章の仲介で幾度か来日し、富樫雅彦、吉沢元治、佐藤允彦、高橋悠治、小杉武久らと共演している。ソプラノサックスの独自の教則本に、Findings: My Experience with the Soprano Saxophone (1994, CMAP and Outre Mesure, France. [2 Edition, 2006]) がある。

編者:ジェイソン・ワイス(Jason Weiss)
1955年生まれ。米国ニュージャージー州出身の作家、編集者、翻訳家。カルフォルニア大学バークレー校卒業。1980年代をパリで過ごし、90年代にニューヨーク大学でラテン文学を対象とする比較文学の博士号を取得、ニュースクール大学などで教鞭を執るなどした。著書に、本書 (2006)のほかに、Writing at Risk: Interviews in Paris with Uncommon Writers(1991、日本語訳=『危険を冒して書く―異色作家たちへのパリ・インタヴュー』浅野敏夫訳、法政大学出版局、1993年)、 Back in No Time: The Brion Gysin Reader (2002)、The Lights of Home: A Century of Latin American Writers in Paris (2002)、Always in Trouble: An Oral History of ESP-Disk (2012)がある。

訳者:小田中裕次(おだなか・ゆうじ)
翻訳家。訳書に『リー・コニッツ ジャズ・インプロヴァイザーの軌跡』(DU BOOKS、2015年)、『セロニアス・モンク 独創のジャズ物語』(シンコーミュージック、2017年)、『パノニカ ジャズ男爵夫人の謎を追う』(月曜社、2019年)がある。

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