空間のために
ドリーン・マッシー

¥3,600 (税別)

森正人+伊澤高志[訳]

ポスト人間主義の空間を考察する、新たなる地理学。

  • 刊行年月: 2014.03
  • 46判並製440頁
  • 本体価格3,600円
  • 19cm
  • ISBN978-4-86503-012-9

グローバリゼーションと排外主義は、なぜ共存しうるのか?
時間を変化の次元として、そして空間を静的な次元として取り扱う西洋的な思考の伝統に異を唱え、ベルクソンや構造主義、ドゥルーズやデリダなどの時間/空間理解を批判的に検討するなかで、多様な歴史の軌跡の相互作用から構成され続けるものとして空間を理論化。そのことを通じて、新自由主義的グローバリゼーションの現在を、場所をめぐる政治(先住民たちによる土地への権利主張、領土的なものをめぐる攻撃的排他主義、等々)を徹底的に考察する、新たなる地理学。

原書:For Space, London: Sage, 2005.

目次

謝辞
第一部 舞台設定
三つの熟考
第一章 はじまりのための命題
第二部  見込みのない関連性
第二章 空間/表象
(科学への信頼? 1)
第三章 共時性の監獄
構造主義の「空間」
構造主義以後
第四章 脱構築の水平性
第五章 空間の中の生
第三部 空間的な複数の時間に生きる?
第六章 近代性の歴史を空間化する
(科学への信頼? 2)
(知の生産の地理の数々 1――表象、再び)
第七章 瞬間性/深さのなさ
第八章 非空間的なグローバリゼーション
第九章 (通俗的な見解とは反対に)空間は時間によっては滅ぼされえない
第一〇章 新たなるもののための諸要素
第四部 新たな方向づけ
第一一章 空間の諸断面
地図のせいで失敗する
空間の偶然性
旅する想像力
(科学への信頼? 3)
第一二章 場所のとらえどころのなさ
移住する岩たち
場所という出来事
(知の生産の地理の数々 2――知の生産の場所)
第五部 空間的なものの関係論的政治学
第一三章 〈ともに投げ込まれていること〉――場所という出来事の政治学
第一四章 空間と場所の原則などない
第一五章 〈時間-空間〉をつくることと〈時間-空間〉をめぐって抗争すること
原註
訳註
訳者解説 ポスト人間中心主義の空間(森正人)
参考文献
索引

ドリーン・マッシー(Doreen Massey)
1944年、マンチェスター生まれ。社会学、地理学。オープン・ユニヴァーシティ名誉教授。現在も同大学の研究プロジェクトに関わる。1994年のVictoria Medal(英国王立地理学会)受賞など専門分野での受賞歴多数。邦訳書に『空間的分業――イギリス経済社会のリストラクチャリング』(富樫幸一・松橋公治監訳、古今書院、2000年)。最新刊はWorld City(Polity, 2010)。

訳者:
森正人(もり・まさと)
1975年、香川県生まれ。三重大学人文学部准教授。著書に、『四国遍路の近現代――「モダン遍路」から「癒しの旅」まで』(創元社、2005年)、『昭和旅行誌――雑誌「旅」を読む』(中央公論新社、2010年)など。
伊澤高志(いざわ・たかし)
1978年、新潟県生まれ。立正大学専任講師。英文学専攻。共訳書に、トニー・ジャット『失われた二〇世紀』(NTT出版、2011年)。

上部へスクロール
Copy link