「音が鳴って、音を聞いて、音を書いて、音を読んで、そして音を知る!! 竹田賢一の鼓膜は、前衛銀河の鼓動に共鳴している!」(宇川直宏)
アンダーグラウンド音楽シーンに絶大な影響を与えてきたイデオローグ/オルガナイザー、待望の初評論集!
解説・細川周平
別刷8頁付録栞:坂本龍一「竹田賢一」(再録)、佐々木敦「困難と悦び」、高橋悠治「死んだ歴史、ではなかった」、土取利行「ケンちゃんの耳は」、中原昌也「再び生きる喜びを」、町田康「とてもとても大切な本」
「評論家というにはあまりに思想家だし、思想家というにはあまりに実践家」坂本龍一
「学究とはアカデミズムの謂ではないということ、批評とは実践の敵でも奴でもなく、双児でありえるのだということを、私は竹田の文章に教えられた」佐々木敦
「現在では正気の沙汰では語れないポジティブなメッセージに向き合うことこそが、この時代には必要なのだと感じさせてくれるに十分なエッセンスが、この本には詰まっている」中原昌也
「私たちが音楽とかかわりながら生きるにあたって避けて通ることのできない重要なことが書いてある」町田康
目次
I 地表に蠢く音楽ども
立ち止まらないサウンドの彼方に
歪んだ聴覚または時空の軋み
自律性から解き放たれた音楽
レコードを舐める
音楽のバーゲン・セール
反復写像の反オカルティズム
民族音楽の栄養分析(上)
民族音楽の栄養分析(中)
伝統の威を借る寄食者のための間食
民族音楽の栄養分析(下)
〈学習団〉1・20総括(その一)
〈学習団〉1・20総括(その二)
II ジャズの十月革命
「ジャズの十月革命」を吹き抜ける大雑把な十一小節
錬音術の用語索引——フュージョン・ミュージックの分析——
「ロフト・ジャズ」の測量教程
じゃぱん・あるたねいと・しーん 四個のありきたりな疑問と九個の偏見に満ちた仮説
ブラック・コンテンポラリー・ミュージックの栄光と悲惨
「ロフト・ジャズ」への片道切符
III 世界的蓄音盤
Hans Reichel “Bonobo”
The Negative Band “Stockhausen”
Brother Ahh “Move Ever Onward”
Can “Unlimited Edition”
John Stevens “John Stevens Away”, “The Paris Quartet”, Peter Fish “The Silver Apple”
Barre Phillips “Mountainscapes”
Cohelmec Ensemble“5 Octobre 1974”
Hearing Force of the Records Universe
“Nuove Tendenze del Jazz Italiano Vol.1”~“Vol.2”, Giorgio Gaslini “Concerto della Resistenza”, “Patrizia Scascitelli”, Piero Bassini “Tonalit ”
ライナーノーツとレコード解説の距離
Bailey, Honsinger “Duo”
彼は誰時の物憂さの中で
Tippetts, Nichols, Minton, Eley “Voice”
Marvelous Band “Chant Libre”
時評 アルヴィン・エイリーは大和魂を踊ったか
Alvin Curran “Canti e Vedute del Giardino Magnetico”
M Boom Re:Percussion〝撃攘〟
時評 印象を語るための三題噺
Canadian Creative Music Collective “Music Gallery Editions Vol.1”, “Vol.2”
The Willem Breuker Kollektief “The European Scene”
時評 誰のためにレコードをつくるか
Le Forte Four / Doo-Dooettes “L.A.Free Music Society Live at the Brand”
Various “Blorp Esette Vol.1”
John Gruntfest Quartet “Live At Pangea Vol.1 & 2”, Gruntfest, Joselle “Other Dementions”
IV ラーン・トゥ・トーク
ディスアポイントメント ハテルマ 土取利行、坂本龍一
トリオ・アンド・デュエット アンソニー・ブラクストン
ロスコー・ミッチェル・ソロ・コンサート
ロンドン・コンサート デレク・ベイリー&エバン・パーカー
20ジャズ・ファンク・グレイツ スロッビング・グリッスル
キュー・ローン ジョン・グリーヴス&ピーター・ブレグヴァド
ニューヨークの子守唄 メレディス・モンク
マイケル・ナイマン
ラーン・トゥ・トーク/ザ・カントリー・オヴ・ブラインズ スケルトン・クルー
V 突然ではなく⋯⋯
〝内容〟と〝形式〟 を兼ね備えた真の前衛—ヘンリー・カウ
実験室的な模索を続けるライヴハウスの周辺 〈マイナー〉を中心にしたフリーな活動
Six Fifth Columns
突然ではなく……
ビフォー・アンド・アフター・イーノロジー ブライアン・イーノの本質と役割
ドゥルッティ部隊は死なず
〈現−瞬間〉として——ケージと音楽パフォーマンス
溶け出す音と析出する音
パンク以後/パンク前後
紙表に蠢く音韻ども[あとがき]
1Q68の長い長い余波 [解説] 細川周平
書誌
索引