スティーヴ・レイシー(Steve Lacy)
1934年 7月– 2004年6月。ニューヨーク出身のソプラノサックス奏者/作曲家。 50年代初めにディキシーランド・ジャズから出発し、セシル・テイラー、ギル・エヴァンス、セロニアス・モンクとの邂逅を経て1960年代にフリー・ジャズの世界へと向かい、ヨーロッパへ移住。70年代ポスト・フリー時代以降は、インプロヴィゼーション音楽の領域で、詩、歌曲、ダンスを融合させた独自の音楽世界を探求し続けた。2002年に帰米し、ボストンのニューイングランド音楽院で教えた。1975年以降、間章の仲介で幾度か来日し、富樫雅彦、吉沢元治、佐藤允彦、高橋悠治、小杉武久らと共演している。ソプラノサックスの独自の教則本に、Findings: My Experience with the Soprano Saxophone (1994, CMAP and Outre Mesure, France. [2 Edition, 2006]) がある。
編者:ジェイソン・ワイス(Jason Weiss)
1955年生まれ。米国ニュージャージー州出身の作家、編集者、翻訳家。カルフォルニア大学バークレー校卒業。1980年代をパリで過ごし、90年代にニューヨーク大学でラテン文学を対象とする比較文学の博士号を取得、ニュースクール大学などで教鞭を執るなどした。著書に、本書 (2006)のほかに、Writing at Risk: Interviews in Paris with Uncommon Writers(1991、日本語訳=『危険を冒して書く―異色作家たちへのパリ・インタヴュー』浅野敏夫訳、法政大学出版局、1993年)、 Back in No Time: The Brion Gysin Reader (2002)、The Lights of Home: A Century of Latin American Writers in Paris (2002)、Always in Trouble: An Oral History of ESP-Disk (2012)がある。
訳者:小田中裕次(おだなか・ゆうじ)
翻訳家。訳書に『リー・コニッツ ジャズ・インプロヴァイザーの軌跡』(DU BOOKS、2015年)、『セロニアス・モンク 独創のジャズ物語』(シンコーミュージック、2017年)、『パノニカ ジャズ男爵夫人の謎を追う』(月曜社、2019年)がある。