名人農家が教える有機栽培の技術
新井俊春

¥2,700 (税別)

詳細かつ実践的な有機栽培の書

  • 刊行年月: 2019.08
  • 46判並製304頁
  • 本体価格2,700円
  • 18.8 x 13 x 1.6 cm
  • ISBN978-4-86503-078-5

いまままでにない詳細で実践的な有機栽培の文献。講座・講演などに引っ張りだこの篤農家の著者による、有機農業をめざす人たちの必読本、待望の刊行![巻頭カラー写真16頁76点、本文白黒写真約200点、図38点、表49点]

若いころは、知識がなく技術が未熟で、誰かに言われるままに、土壌消毒や農薬散布をくり返すだけでした。毎年のように新しい農薬が発売されて、はじめのうちは害虫や病気によく効きますが、しばらくすると耐性ができて効かなくなります。こうして、次々と高価な新薬を使いつづけないといけなくなります。当時は、無農薬で作物が栽培できるなどとは、まったく思っていませんでした。
わたしが本を書く気になった、いちばんの理由は、農業に熱意のある若者たちが、営農を継続できることを願っているからです。また、やる気のある若い農家が次々と誕生し、人々の健康を支える食べ物をつくりつづけられることを願っているからです。
——著者あとがきより

目次

1章 有機農業への転換
養蚕業の衰退
トマトとネットメロンの栽培
有機農業へ転換

2章 堆肥づくり
堆肥と腐植
自家製堆肥の材料
堆肥化の過程
水分調整
C/N比(炭素率)
堆積と切り返し
熟成
3章 土と作物
腐植と団粒
窒素の吸収
地上部と根の伸び方
養分吸収

4章 土壌診断と生育診断
堆肥の入れすぎ
土壌の診断
土壌pH
電気伝導度(EC)
陽イオン交換容量(CEC)
塩基飽和度
塩基バランス
観察の重要性
作物の栄養素
微量要素と土壌

5章 トマトの栽培
トマトの特徴と作型
培養土
播種
鉢上げ、育苗
土壌養分の診断
施肥とうね
マルチ
栽植
定植
かん水
整枝
着色対策
追肥
被覆資材
扇風機
受粉
収穫
診断と対策

6章 トマトの病害虫対策
病原菌の特徴
菌類(糸状菌)
細菌(バクテリア)
ウイルス
害虫
土壌病害対策
7章 ニガウリの栽培
ニガウリの特徴と作型
播種
鉢上げ、育苗
施肥、うね立て
定植、支柱立て
誘引
収穫
害虫対策

8章 葉菜類の栽培
品目と作型
コマツナ(小松菜)
ミブナ(壬生菜)
ノザワナ(野沢菜)
ミニチンゲンサイ
わさび菜
肥料と施肥
整地と鎮圧
播種
播種の間隔
収穫
栄養診断と土壌養分の診断

9章 野菜の病害虫対策
有機栽培と病害虫
生物学的な分類
作物をとりまく環境
菌類(糸状菌)
原生生物
細菌(バクテリア)
ウイルス
害虫対策
線虫

10章 野菜の品質保持
品質保持の重要性
日持ちの内的要因
収穫後の鮮度の変化
品質劣化の現状と改善点

11章 施設、資材、機械、道具
施設
肥料
遮光ネット
ロータリー
プラウ
プラソイラ
管理機
鎮圧ローラー、播種機
整地道具
除草道具
マルチの穴あけ
ネギの定植道具
調整、荷づくり

あとがき

参考文献・引用文献

新井俊春(あらい・としはる)
群馬県甘楽町の有機農家、1955年に農家に生まれ、30代のころから有機農業に取り組む。施設トマト、葉菜類などを栽培し、高い有機栽培の生産技術を有する。甘楽町有機農業研究会の代表をつとめ、若い農業者の指導もおこなっている。甘楽町有機農業研究会として、2010年日本農業賞特別部門優秀賞。2014年全国環境保全型農業推進コンクール最優秀賞。

編者:
本田進一郎(ほんだ・しんいちろう)
「別冊現代農業」、「農家が教えるシリーズ」(農文協)など、ロングセラーの農業書を多数執筆、編集。

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