新たな安全性のイデオロギーが全世界を席巻しつつある。それは、市民社会の総体を軍事的安全保障体制のもとに、すなわちいわゆる〈軍人の正義〉の体制のもとに囲い込む。好むと好まざるとにかかわらず誰もが臨戦態勢のもとに置かれることになる。私たちは平和という名の「純粋戦争」の時代に生きているのだ。現代人の生存を脅かす政治的危機の本質を衝き、軍事化のとめどない潮流に警鐘を打ち鳴らす痛烈な書。
原書: “Défense populaire et luttes écologiques”, Paul Virilio, 1978, Éditions Galilée, Paris