無益な知識――アウシュヴィッツとその後 第2巻
シャルロット・デルボー

¥2,400 (税別)

2024年02月15日取次搬入予定

 亀井佑佳[訳]

  • 刊行年月:2024年2月
  • 46判並製264頁
  • 縦188㎜×横130㎜×束17㎜
  • 300g
  • 本体2,400円
  • ISBN:978-4-86503-183-6

アウシュヴィッツとラーフェンスブリュックへの強制収容体験を経て、その記憶を書きしるすことで証言したフランス人レジスタンス女性、シャルロット・デルボー。ともに逮捕された夫を銃殺され、一緒に闘った仲間たちを次々と喪った彼女は、収容所内で演劇を上演し、パンと引き換えに本を手に入れる。あらゆるものを剥ぎとられてなお、戯曲を暗唱し、詩を想起する。「息を引きとった者たちは歌わない。でも、息を吹き返すやいなや演劇を上演するのだ」――死の知識の無益さに抗う、文学の力。

「あなたたちはあらゆるものを剥ぎとられても、人間から思考し想像する能力だけは奪うことができないと言うだろう。あなたたちは知らないのだ。人は一人の人間を、下痢に腹をゴロゴロ言わせる骸骨に変えることができ、この人から思考する時間と思考する能力を奪うことができる。想像的なものは、十分な食べものを与えられ、自由な時間のゆとりに恵まれ、自分の夢を育むための基本原理を好きなように使える身体の、最初の贅沢品なのだ。アウシュヴィッツでは夢は見られなかった、うなされただけだ」(本文より)。

シャルロット・デルボー(Charlotte Delbo, 1913–1985)
フランスの作家。レジスタンス活動を理由に夫とともにフランス警察に逮捕され、ゲシュタポに身柄を引きわたされる。アウシュヴィッツ強制収容所より解放後、享年71歳で病没。主な著書に、『アウシュヴィッツの唄』(篠田浩一郎訳、『全集・現代世界文学の発見6 実存と状況』所収、學藝書林、1970年;本訳書『誰も戻らない』の原著初版1965年版の全訳)、『アウシュヴィッツとその後』(全3巻、1970~1971年;第1巻『誰も戻らない』月曜社、2022年)など。

亀井佑佳(かめい・ゆか, 1986–)
フランス文学・哲学研究。立命館大学大学院文学研究科人文学専攻哲学専修博士前期課程修了。翻訳に、シャルロット・デルボー『誰も戻らない』(月曜社、2022年)など。

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