反出生主義、生殖未来主義批判からフェミニズム、ケア論の前線まで、現在のあらゆる議論と対決しながら、「哲学の優生主義」、そしてこの世界の優生主義を拒絶する新たな生と死の思考、政治と革命を開く衝撃の反哲学。郷原佳以氏推薦「わたしたちにかくも根深く巣くう優生学的思考から離れて人工妊娠中絶を根源的に肯定すること。隘路を切り拓いて不可能に近い脱構築に挑むポレミックな省察」。
存在論的中絶
石川義正
¥2,600 (税別)
- 刊行年月:2023年12月
- 46判並製368頁
- 縦188mm×横125mm×束幅21mm
- 360g
- 本体2,600円
- ISBN:978-4-86503-179-9 C0010
目次
はじめに
第一章 中絶の哲学史
1 障害・優生・人工妊娠中絶
2 哲学の人工妊娠中絶
3 世界の中絶
第二章 ヴァイオリニストと猫――生命倫理学について
第三章「便所」をめぐる闘争――エントロピーについて
第四章 死の越境――主体化について
1 優生保護法改定をめぐって
2 自殺と革命
3 スピノザと「私」
4 死者と生者の無限判断
第五章 生殖するアンティゴネー ――大江健三郎『水死』について
第六章 啓蒙のパラドクス――埴谷雄高『死霊』について
第七章 存在論的中絶――性選択について
1 妊娠と変様〔アフェクチオ〕
2 バートルビーの進化論
3 プログラムと約束
4 歴史の中絶
おわりに
石川義正(いしかわ・よしまさ)
1966年生まれ。文芸評論家として活動、建築、動物など斬新な視覚から文学を論じてきた。著書『錯乱の日本文学』航思社、2016年。『政治的動物』河出書房新社、2020年。共著『反東京オリンピック宣言』航思社、2016年。