1980年代、バタイユに触発されてナンシーは『無為の共同体』を刊行し、ブランショは『明かしえぬ共同体』でナンシーに応答した。30年後、ナンシーはバタイユを再び取り上げつつ、亡きブランショへ本書で問いかける。コミュニズムの地平の彼方へと、ナンシーの共同体論は新たに歩み出る。本書をめぐるジェローム・レーブルとの対談を付す。
否認された共同体
ジャン-リュック・ナンシー
¥3,600 (税別)
市川崇[訳]
- 刊行年月:2023年7月
- 46変型判並製400頁
- 188x110x24.5mm
- 400g
- 本体価格3,600円
- ISBN:978-4-86503-170-6
Categories: 全タイトル, 既刊 Tags: ジャン-リュック・ナンシー, ジャン=リュック・ナンシー, 人文・思想, 市川崇
目次
目次
第I章:「共同体、数」
『コミュニズム』という言葉
ハパックス〔一回性〕
さらに先へと進む
数量的な共同性
第II章:「政治‐外」
実存〔脱‐存〕
政治?
「直接的‐普遍性」
超〔ウルトラ〕
第III章:心あるいは法
伝達不可能なものの伝達
放棄
倫理とエクリチュールの間で
第IV章:成就された共同体
出口なし
複雑な構成
「何もしないこと」
「反社会的な社会〔結社〕」
「空虚な内奥」
「あなたが誰なのかを知っている」
暗黒の夜
聖体
第V章:「本質的に逃れ去るもの」
曖昧な共同体
告白
否認
神話
共有〔分有〕なしに
作品、絆、クリナメン
Coda〔最終部〕
ジャン−リュック・ナンシー(Jean-Luc Nancy, 1940-2021)
フランスの哲学者。主な著書に、『無為の共同体』(以文社、2001年)、『ミューズたち』(月曜社、2018年)、『モーリス・ブランショ 政治的パッション』(水声社、2020年)、『あまりに人間的なウイルス――COVID-19の哲学』(勁草書房、2021年)などがある。
ジェローム・レーブル(Jérôme Lèbre, 1967-)
フランスの哲学者。国際哲学コレージュ・プログラム・ディレクター。
市川崇(いちかわ・たかし、1962-)
慶應義塾大学文学部教授。ナンシー関連の寄稿誌や共著に『多様体2:総特集=ジャン−リュック・ナンシー』(月曜社、2020年)、『思想 no.1172:追悼ジャン−リュック・ナンシー』(岩波書店、2021年)、『ジャン−リュック・ナンシーの哲学』(読書人、2023年)がある。