「都市の部族(アーバン・トライブ)」の概念とその可能性を、つねに現場(シーン)に身を置きながら根源的に思考/記述した類書なきエスノグラフィ――100頁超の長大な「増補新版への序章」と新たなる書物への誘い「ブック・ガイド」を附した増補新版
[増補新版]アーバン・トライバル・スタディーズ パーティ、クラブ文化の社会学
上野俊哉
¥3,000 (税別)
都市の部族(アーバン・トライブ)の可能性をめぐる類書なきエスノグラフィ
- 刊行年月: 2017.3
- 四六判並製448頁
- 本体価格3,000円
- 19cm
- ISBN978-4-86503-042-6
目次
増補新版への序章 蝕のコスモ・ポリティクス――そしてまた野外で踊る
旧版序文 本書の読み方について
第一章 アーバン・トライブとは何か?
グローバリゼーションとトライバリゼーションの往還の地平
第二章 トランス・クリティックとしての民族誌
今日のシャーマニズム
トランス・クリティックとエスノグラフィ
第三章 ディオニュソス・グラフィティ
ディオニュソス・グラフィティ
逃走と飛び地
群集と空間
第四章 学び逸れる野郎ども
リズム/ダンス/ミメーシス
学び/まねび逸れる野郎ども
第五章 一時的自律接触領域
ニューエイジ・トラヴェラー
トライバル・ウォリアーズ、あるいは「新しい野蛮人」?
接触領域(コンタクト・ゾーン)としてのパーティ
旧版あとがき いくつかのシーンとTJという立場について
増補新版あとがき パーティが終わった朝から
ブック・ガイド 都市の部族(アーバン・トライブ)について継続して考えるために
謝辞
上野俊哉(うえの・としや)
1962年生まれ。和光大学表現学部総合文化学科教授。社会思想史、文化研究、メディア論。
主な著書に、『音楽都市のパラジット――共振する思考』(洋泉社、 1990年)、『思考するヴィークル――クルマ/速度/都市』(洋泉社、1992年)、『シチュアシオン――ポップの政治学』(作品社、1996年)、『人工自然論――サイボーグ政治学へ向けて』(勁草書房、1996年)、『紅のメタルスーツ――アニメという戦場』(紀伊國屋書店、1998年)、『ディアスポラの思考』(筑摩書房、1999年)、『カルチュラル・スタディーズ入門』『実践カルチュラル・スタディーズ』(ともに毛利嘉孝との共著、ちくま新書、2000年/2002年)、『アーバン・トライバル・スタディーズ――パーティ、クラブ文化の社会学』(月曜社、2005年/本書初版)、『思想家の自伝を読む』(平凡社新書、2010年)、『思想の不良たち――1950年代 もう一つの精神史』(岩波書店、2013年)、『荒野のおおかみ――押井守論』(青弓社、2015年)、『四つのエコロジー――フェリックス・ガタリの思考』(河出書房新社、2016年)など。
訳書に、ソル・ユーリック『メタトロン――情報の天使』(晶文社、1992年)、ポール・ギルロイ『ブラック・アトランティック――近代性と二重意識』(毛利嘉孝・鈴木慎一郎との共訳、月曜社、2006年)、ポール・D・ミラー『リズム・サイエンス』(今西玲子との共訳、青土社、2008年)、イアン・コンドリー『日本のヒップホップ――文化グローバリゼーションの〈現場〉』(監訳、田中東子・山本敦久訳、NTT出版、2009年)、スティーヴン・シャヴィロ『モノたちの宇宙――思弁的実在論とは何か』(河出書房新社、2016年)。