20世紀ドイツの文壇に屹立する作家エルンスト・ユンガーの政治評論の中から、自らの従軍経験より発した1920~30年代における特異なナショナリズム思想と、40年代の汎ヨーロッパ主義への変遷を映す、重要テクストを精選。戦没者を悼むことを通じて、戦争という破局的試練や憂国/愛国のありようを情熱的かつ怜悧に分析した諸篇とともに、ナチズムとの批判的対峙を跡づける本邦初訳の一連の論考をまとめる。孤高の作家の政治遍歴と実存的格闘を、原典の翻訳と懇切な解説でたどる、稀有な一冊。『追悼の政治』増補改訂版。
ユンガー政治評論選
エルンスト・ユンガー
¥2,800 (税別)
川合全弘[編訳]
『追悼の政治』増補改訂版
- 刊行年月: 2016.05
- 46判並製304頁
- 本体価格2,800円
- 18.8 x 12.8 x 2 cm
- ISBN978-4-86503-032-7
目次
第一部「追悼論」
忘れえぬ人々 まえがき
カスパール・ルネ・グレゴリー
忘れえぬ人々 あとがき
総動員
平和
第一部解題「エルンスト・ユンガーにおける追悼論の変遷」
第二部「ナチズム観」
ナショナリズムとナチズム
「ナショナリズム」とナショナリズム
没落か新秩序か
第二部解題「急進ナショナリストのナチズム観」
編訳者あとがき
川合全弘(かわい・まさひろ)
1953年生。京都産業大学法学部教授。専門はドイツ政治思想史。著書に『再統一ドイツのナショナリズム』(ミネルヴァ書房、2003年)がある。