汎音楽論集(はんおんがくろんしゅう)
高柳昌行

品切

品切重版未定
2007年11月、2刷出来

フリージャズのエッジに位置するミュージシャンによる音楽論のはじめての集成。
年譜、主要ディスコグラフィ、高柳夫人による「あとがき」を付す。

  • 刊行年月: 2006.12
  • 46判上製カバー装400頁
  • 本体価格3600円
  • ISBN:4-901477-29-3
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インプロヴゼーションの遙か地平にまで突き進んだ音楽家=ジャズ・ギタリストが、1950年代から死去する直前の1991年までに残した、同時代の音楽状況を破壊転覆させずにはいられなかった痛烈な批判意識に満ちた音楽論を年代順に集成。
類をみないメッタ切りレコードレビューも必読!
ここ数年、音盤も続々CD化され、世代を超えて再評価=支持されている。大友良英、ジム・オルークなど、高柳に影響されたミュージシャンは数知れず。

目次

■評論・インタヴュー
Duty Dog の作曲について/ハーブ・エリスのソロはたいしたことない!!/強烈な自己批判を/新世紀音楽研究所を設立/アブストラクト・ジャズ研究発表会/コルトレーンを聴いて/ジャズ・ギターの可能性と今後の課題/ガボール・サボ/ふるわなかったローリンド・アルメイダ/ラヴィ・シャンカールの来日に想う/エレクトリック・ギター演奏による「二一世紀へのエチュード」/根付の国のジャズ ミュージシァンを中心に、再考か、転職か、音楽以前の問題へ一ディレッタントよりの提起/ラリー・コーイエルもロックをやればつまらんよ!!/’71内外ジャズ界を回顧する/フリー・フォーム組曲ライナー・ノーツ 音楽状況に対する、ひっかく程の批判と、ニュー・ディレクション・フォー・ジ・アーツの生成について/反論 九月号「問題作を試聴する」に対して/西条英介氏の「反論」への反論 音楽家が演奏以外にしゃべり、書くことは同義である。/’73ジャズ・ディスク大賞/エレクトロニクスは自然が内包するエネルギーなのだ/LENNIE TRISTANO  二〇年先を思索する音楽家/アート・アンサンブル・オブ・シカゴ/銀巴里の伝説化なんてつまらない/CHARLlE CHRlSTIAN はモダン・ジャズの原点であった……/狂体への憧憬/ステージが始まるまでトレーンは吹き続けていた/ジム・ホール/ジャズライフ創刊アンケート/善は滅びる……か?/ジャズ・ギターは、今のところジム・ホールで終っている/ADVISED FOR PICK GUITAR  ギター・メカニズムのためのプラスα、または音楽事象へのコラム/汚物抄 臭いものの蓋は引き剥がし、閉じた楽耳は開かねばならない/ジャズ・ノート、批判と断想 シリアスなインプロバイザーをめ指すギタリストヘ、多少のアドバイス/ジャンゴについて/輸入音楽を疑う時期がきたようだ/『ロンリー・ウーマン』をめぐって/パーカー= ビ・バップは越えられるか?/「音楽」との遠い距離/現代音楽とジャズ/アルバート・アイラーこそ、革新者だ。コルトレーンなんて歌謡曲なんだ。/ジャズ教則本あれこれ

■ディスク・レヴュー
チャーリー・ヘイドンの世界 リベレイション・ミュージック・オーケストラ/ブラックストーンの伝承 ウディ・ショウ/マイ・ゴールズ・ビヨンド ジョン・マクローリン/チャーリー・パーカー・メモリアル・コンサート/アラバマに星落ちて ビリー・ホリデイ/ライブ-イヴィル マイルス・デヴィス/ファースト・ライト フレディ・ハバード/フェニックス ガトー・バルビエリ/ウェザー・リポート・ライヴ・イン・卜ーキョー/ブラック・ユニティ ファラオ・サンダース/世界銀河 アリス・コルトレーン/レット・マイ・チルドレン・ヒア・ミュージック チャールス・ミンガス/クライシス(危機)  オーネット・コールマン/アイ・シング・ザ・ボディ・エレクトリック/アッティカ・ブルース アーチー・シェップ/サハラ マッコイ・タイナー/ネクスト・アルバム ソニー・ロリンズ/リヴィング・タイム ビル・エヴァンス~ジョージ・ラッセル・オーケストラ/フォー・アルト アンソニー・ブラックストン/エクスペクテーションズ キース・ジャレット/ジョン・コルトレーン・ライブ・イン・パリ セシル・テイラー/アクションズ ドン・チェリーとペンデレツキー/火の鳥 マハビシュヌ・オーケストラ/クリスタル・サイレンス ゲイリー・バートン~チック・コリア/ライブ・イン・パリ ウェス・モンゴメリー・ソリチュード/黙示録 マハビシュヌ・オーケストラ/ミンガス ジョニ・ミッチェル/アフリカン・マーケットプレイス ダラー・ブランド

■高柳昌行 主要ディスコグラフィ
■高柳昌行 年譜
■あとがき

 

紹介記事

  • 五所純子氏短評(「週刊金曜日」2008年5月30日号「きんようぶんか 読書 五所純子が選ぶ3冊」)
  • ジム・オルーク氏短評(「intoxicate」70号(2007. 10. 20発行)「人コマゴマ」欄)
  • 野田泰雄氏+市川紀夫氏書評(「G-Modern」27号〔2007.6.22発行〕「NEW DISC REVTEW」欄)
  • 林道郎氏書評(「読売新聞」2007年4月22日付「本・よみうり堂」欄)
  • 菊地成孔氏×大谷能生氏書評(「ウェブ@エスクァイア」「2007年音楽と文学を巡る新春放談(2007.1/20)[WEB限定版]」)
  • (M)氏書評(「スタジオ・ボイス」2007年4月号「SV CUT UP : BOOKS」欄)
  • 村上謙太郎氏(TOWER RECORDS梅田大阪マルビル店)短評(「intoxicate」66号(2007. 2. 20発行)「お茶の間レヴュー:読むお茶の間」欄)
  • 湯浅学氏書評(「ミュージック・マガジン」2007年2月号「ランダム・アクセス」欄)

高柳昌行(たかやなぎ・まさゆき)
1932年東京生まれ、1991年没。16歳からギターをはじめ19歳でプロとして活動をはじめる。1960年代に金井英人、菊池雅章、富樫雅彦と「ジャズ・アカデミー」を結成。また銀巴里を舞台とした「新世紀音楽研究所」の活動からは、日野皓正、山下洋輔など、多くの人材を輩出した。70年代には、阿部薫らと結成した「ニューディレクションデュオ」から「ニューディレクショントリオ」、さらにレギュラーユニット「ニューディレクションユニット」を結成。ジョン・ゾーンとの共演(86年)など、つねにジャズ界のもっとも先端的な位置にいて、死の数ケ月まえまで活動を続けた。

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