シリーズ・古典転生

初期ストア哲学における非物体的なものの理論
エミール・ブレイエ

品切

江川隆男[訳]

品切重版未定

ドゥルーズを触発した碩学ブレイエの高名な論考(1908年)の本邦初訳。
未紹介の古典、未邦訳の名著を現代に蘇らせる新シリーズ「古典転生」第一弾!

  • 刊行年月: 2006.6
  • A5判上製240頁
  • 本体価格3400円
  • ISBN:4-901477-25-0

未紹介の古典、未邦訳の名著を現代に蘇らせる新シリーズ「古典転生」第一弾!
ドゥルーズを触発した碩学ブレイエの高名な論考(1908年)の本邦初訳。
数理物理学の衝撃のもとにある近代以降の唯物論とはまったく異なるストア哲学の生物学的唯物論が提示する、存在と出来事を包括する自然哲学が〈非物体論〉として考察される。難解な論考の現代的意義を活きいきと開く訳者の長編解題を付す。マテリアリスムの新地平がここについに開示される。

「私がブレイエのこの初期ストア哲学に関する非物体論を知ったのは、ジル・ドゥルーズの『意味の論理学』(1969年)という書物によってである。最初はドゥルーズの論点を確認し補強する程度の気持ちで読んでいたが、しかし、次第にこのブレイエの非物体的なものについての研究書がきわめて重要な論点をいくつか含んでいることに気づき、またそのことを確信するに至った。それと同時に、私は、「クリュシッポスならこの問題をどう考えただろうか」、「クリュシッポスならこれについて何て言うだろうか」とつねに考えてしまうほど、クリュシッポスの魅力にとりつかれた。その理由は簡単である。初期ストア哲学は、自然における物体と非物体についてラディカルな思考を、つまり存在と出来事についての新たな思想を展開したからである。」—-「訳者あとがき」より。

 


◆「古典転生」は、未紹介の古典や未訳の名著を、詳細な解説と研究で現代に蘇らせる、月曜社の新シリーズです。文系理系を問わず、世界の名著や隠れた古典を新しい評価のもと続々と「転生」させて参ります。
続刊予定:平井浩編『ミクロコスモス:初期近代精神史研究(I)』、アグリッパ『隠秘哲学』、ボイル『懐疑的化学者』、コンディヤック『モナド』、ホッブズ『市民論』、カヴァイエス『論理学について』など。

目次

初期ストア哲学における非物体的なものの理論

訳者解題「出来事と自然哲学—-非歴史性のストア主義について」
訳者あとがき

紹介記事

  • 鈴木創士氏短評(「図書新聞」2006年12月23日付2803号「2006年下半期読書アンケート」)
  • 丹生谷貴志氏書評(「未来」2006年10月号「火を奪還せよ!」)

エミール・ブレイエ(Emile Brehier)
フランスの哲学史家。1876年4月12日に生まれ、1952年2月3日に没す。第一次世界大戦に従軍し左腕を失う。1919年より没年までソルボンヌで教鞭を執り、1944年にはアンリ・ベルクソンの後任でフランス学士院の会員となった。
主著に『哲学の歴史』(全7巻、1926-1932年)のほか、プロティノス『エンネアデス』の翻訳註解書(全7巻、1924-1938年)などがある。邦訳書に『現代哲学入門』(河野與一訳、岩波新書、1953年)、『哲学の歴史』(全3巻、渡辺義雄訳、筑摩書房、1985-1986年)がある。

訳者:江川隆男(えがわ・たかお)
1958年生まれ。首都大学東京都市教養学部人文社会系研究員。著書に『存在と差異----ドゥルーズの超越論的経験論』(知泉書館、2003年)、『死の哲学』(河出書房新社、2005年)。共訳書に『ベルクソン講義録(III)近代哲学史講義・霊魂論講義』(法政大学出版局、2000年)、ドゥルーズ『無人島1953-1968』(河出書房新社、2003年)、ドゥルーズ『狂人の二つの体制1975-1982 /1983-1995』(河出書房新社、2004年)などがある。

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