孤高の批評家/思想家の40年にわたる営為からその精髄を集成。哲学・美術・文学・映画をつらぬいて思考の極限を歩みつづける批評家の全貌を3巻1800頁に凝縮して、その核心をあきらかにする。伝説的デビュー作『光の国』(抄録)から幻の連載「中世への途上」まで、「批評(家)」誕生と生成の軌跡を示す第Ⅰ巻、ドゥルーズ/フーコーとともに終わりなき思想の闘争を刻印する第Ⅱ巻を同時刊行。
★第Ⅰ巻巻末エッセイ:青山真治・小林康夫、解説:石川義正
★第Ⅱ巻巻末エッセイ:朝吹真理子・鈴木創士、解説:稲川方人
第Ⅲ巻(2026年1月発売予定)は直近20年の発表論考から単行本未収録を多数集成。巻末エッセイ:絓秀実、雑賀恵子。解説:東海晃久。
目次
第Ⅱ巻目次:
表象論あるいは恋するシーニュ
映画/ニヒリズム/自由
未知もなければ既知もない幸福な〈外〉の住人
映画的意志に貫かれた心踊る90編のフィルム――『金井美恵子全短篇』(全三巻)
侵犯と発明――退屈さのエクササイズ
絶対的不毛を生きること――エルキュリーヌ・バルバンをめぐって
老いの言葉
1「……言うまでもなく……」
2 廃墟の書物
3 素朴な書物
4 「老い」の書物
5 アルチュセールの言葉から
6 葉叢とサングラス
7 吃音の穴
8 物質的饒舌
造成居住区の午後へ
不在の災害
誘惑と遮蔽――図像と野生の視線を巡って
死体は窓から投げ捨てよ
持続と記憶――砂漠のイマージュ
「文学」は夜にむかう
インスタント・カーマ
1 これがせきたんやのくまさんの話です
2 墓標と忘却
3 死体はモノになってくれない
4 ここでは誰も迷わない
墓石との熱狂的なダンス
雲の肯定
「幼児的なるもの」と崩壊
小さなアポカリプス
幽霊的な閃光
来るべき子どもたち――野性と革命と異質性の場
無関心の恋
Accidiaあるいはアパシー
孤島と恋、そして散-歩――新たなるバロック
丹生谷貴志のために
あこがれることしかできない|朝吹真理子
ニブヤさん|鈴木創士
解説 無限人格としての丹生谷貴志を個人的な挿話から語ろう|稲川方人
解題(初出一覧)