ハインレ詩文集
クリストフ・フリードリヒ・ハインレ

¥4,500 (税別)

ヨハネス・シュタイツィンガー[編]
ジョルジョ・アガンベン[序文]
柿木伸之[訳]

2025年03月04日取次搬入予定

  • 刊行年月:2025年3月
  • 46判上製352頁
  • 縦188mm×横120mm×束幅28mm
  • 重量350g
  • 本体価格4,500円
  • ISBN:978-4-86503-201-7 C0098

 

 

ベンヤミンが若き日に出会い、生涯にわたり「親友」と呼んだハインレ。第一次世界大戦の開戦直後に19歳で命を絶った「詩人」の現在確認できる抒情詩、散文、書簡を集成。ベンヤミンに影を落とす友の詩に光を当てる、青春の歌とその断絶の記録。ジョルジョ・アガンベンの序文、編者による詳細な評伝、訳者による周到な解説を付す。「フリッツ・ハインレは詩人だった。しかも、すべての詩人のなかでその「生涯において」ではなく、詩において出会った唯一の詩人である。彼は19歳で死んだが、彼と別の仕方で出会うことは考えられない」(ヴァルター・ベンヤミン「ベルリン年代記」)。

目次

序言「失われたものへの希望」ジョルジョ・アガンベン
抒情詩
夢劇
十三の詩
十四の詩ーーフィリップ・ケラーに捧ぐ
〔紅に泡立つ……〕
〔確認の手紙を送ると……〕
原生林の精
肖像
〔昼の起きると……〕
〔魅惑的な眺望を……〕
〔甘い風よ……〕
みだらな夜
〔混乱した夢を出て日が昇る……〕
〔樅の木は鈍いビロード色の……〕
老女は語る[Ⅰ]
老女は語る[Ⅱ]
〔ランプのそばで……〕
「廊下の」
ベンチ
〔木々の梢が絡まり合う……〕
〔おお、おまえたち腐りきって……〕
水無月の日
〔眠りに落ち、夜は……〕
〔深黒の波濤にもまれながら……〕
頌歌[Ⅰ]
〔微笑む千の仕草が……〕
〔いくつかの澱みには……〕
〔樅がみだらに枝葉を……〕
〔橋は弓なりにせり上がり……〕

頌歌[Ⅱ]
頌歌[Ⅲ]
〔家の周りで嵐がうなりながら……〕
〔教会の塔はすでにくすみ、……〕
〔馬車につながれた栗毛の馬が……〕
夜と昼のあいだに
〔ベッドに横たわったまま身を……〕
〔それはホルシュタイン伯……〕
〔小鐘が打ち鳴らされるのが……〕
アーク灯
夕べに窓辺で
〔庭に白馬と……〕
〔時は森のなかで道に迷い……〕
〔酔い痴れて乱れ戯れる形象が……〕
秋の午後[Ⅱ]
秋の夕べ
〔わたしは永遠に独りぼっち……〕
〔灰色の月よ、言え。どこへ……〕
寒い夜
演奏会
散文
青年
わが学級
〔まばゆく明るい緑の木々が……〕
美しい人たち
奇襲
湖の三人の聖者
書簡
1 ルーヴィヒ・シュトラウス宛
2 ルーヴィヒ・シュトラウス宛
3 ルーヴィヒ・シュトラウス宛
4 ルーヴィヒ・シュトラウス宛
5 フッサール宛
6 ルーヴィヒ・シュトラウス宛
7 ルーヴィヒ・シュトラウス宛
8 ヴェルスホーフェン嬢宛
9 アルマ宛
書簡草稿
グスタフ・ヴィネケン宛
H宛書簡草稿
跋「青年運動と文学のアヴァンギャルドのあいだで」ヨハネス・シュタイツィンガー
附録
編集方針
作品配列
稿本伝承
謝辞
参照資料一覧
訳者解題「青春の詩人とその死後の生」
関連略年譜
訳者あとがき

著者:クリストフ・フリードリヒ・ハインレ(Christoph Friedrich Heinle, 1894–1914)ドイツ西部のマイエンの生まれ。ゲッティンゲン、フライブルク、ベルリンの大学で学ぶ一方、詩作を続け、青年運動に積極的に関わった。フライブルクでヴァルター・ベンヤミンと出会う。第一次世界大戦の開戦直後に19歳で命を絶った。

編者:ヨハネス・シュタイツィンガー(Johannes Steizinger)カナダ・マクマスター大学哲学科准教授。19世紀および20世紀前半の哲学、文化哲学、政治哲学、社会哲学ならびに美学を重点的に研究。

訳者:柿木伸之(かきぎ・のぶゆき)西南学院大学国際文化学部教授。著書に『ベンヤミンの言語哲学──翻訳からの言語、想起からの歴史』(平凡社、2014年)、『ヴァルター・ベンヤミン──闇を歩く批評』(岩波新書、2019年)、『断絶からの歴史──ベンヤミンの歴史哲学』(月曜社、2021年)などがある。

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