20世紀初頭ロシア――革命後の内戦と世界戦争がもたらした終末的混沌のさなかで、人類の新たなヴィジョンを詩によって創り出した伝説の詩人の全文学作品を集成。日本初の試みとなる。「何もかも最後の死すべき部分に分解していく。時間に世界は食われてしまうのだ」(本書より)。
ヴヴェヂェンスキィ全集
アレクサンドル・ヴヴェヂェンスキィ
¥6,400 (税別)
東海晃久[訳]
- 刊行年月:2023年8月
- 46判上製608頁
- 縦194mm×横133mm×束幅42mm
- 690g
- 本体価格6,400円
- ISBN:978-4-86503-171-3 C0098
目次
目次
ポエムのはじまり
ミーニンとポジャルスキィ
第七詩篇
女神智学者の死に寄せて
鳥たち
神々の返答
おしまい
波になった
五か六
二羽の小鳥、悲しみ、獅子、そして夜
鏡と音楽家
〈陽気者のフランツ〉
〈雪は積もり……〉
聖人とそのしもべたち
事実、理論、そして神
戦い
海の意味
海の最期
裁きは去れり
まわりにもしや神さまが
エフスタフィエフとマルガリータ・クロンプリンツェヴァ
クプリヤーノフとナターシャ
世界
〈灰色ノート〉
馬上の客人
四つの記述
僕に考えさせるい
昼夜
目撃者とドブネズミ
愛の告白という時にお腹がグゥと鳴る
梅毒発症、切り落とされた足、引っこ抜かれた歯
〈残念ながら、僕は獣じゃない〉
〈ざわめく海辺に兵士イロハが歩いておりました〉
〈……晴れて、やさしく、また燦々と〉
いくつかの会話(あるいは一新された主題一覧)
イヴァノフ家のクリスマス
挽歌
〈ところ。とき〉
補遺
〈そして僕がこのぬくい体で……〉
〈河岸通りにて揺れ動く……〉
連作「嬉遊曲」からの詩
全ロシア詩人同盟レニングラード支部へ送るアレクサンドルヴヴェヂェンスキィの詩十篇
砂丘の
ガルーシキ
断片
人群れに刈られしロスチスラフ
魂のしつけ
解題
年譜
アレクサンドル・ヴヴェヂェンスキィ(Alexandr Ivanovich Vvedensky, 1904−1941)
ロシアの詩人。20世紀初頭のロシア・アヴァンギャルドの展開の中で、ハルムスらともに1927年に「オベリウ」を結成、41年に反革命を扇動したとして逮捕され死去。本国も長く忘れられていたが1960年代以降再評価が進んでいる。子供むけの絵本でも知られる。同姓同名の新カント主義哲学者ヴヴェデーンスキー(1856-1925)とは別人。
東海晃久(とうかい・あきひさ, 1971-)
ロシア文学。訳書、ゴーゴリ『死せる魂』、ヴァーギノフ『山羊の歌』、ソコロフ『馬鹿たちの学校』『犬と狼のあいだで』、クルジジャノフスキィ『神童のための童話集』他多数。