古代性とバロック性を博捜するローマ芸術を巡る思索記。20世紀画家クレリチから18世紀画家・建築家ピラネージへ! ローマを逍遥し、エルサレムに跳び、マグナ・グラエキアを彷徨する美学的遁走曲(フーガ)。
ローマの眠り――あるいはバロック的遁走
谷川渥
¥2,200 (税別)
- 刊行年月:2022年10月
- 46判並製204頁
- 縦188mm×横130mm×束13mm
- 重量215g
- 本体価格2,200円
- ISBN:978-4-86503-154-6
目次
はじめに
I
「バロクス・ロマヌス」
ファブリツィオ・クレリチ《ローマの眠り》
ベルニーニの襞
ドミニック・フェルナンデスの論点
天使たち
ヘレニズム的意匠
II
エルサレム行
聖画像
「苦難の道」
聖墳墓教会
聖遺物
再び聖墳墓教会について
聖誕教会と嘆きの壁
III
濡れ衣としての聖骸布
《聖チェチリア》
カプチン僧
画面右側の彫刻群
ベルニーニとボッロミーニ
バロキスム宣言
IV
ピラネージのローマ
廃墟行脚――あるいはマグナ・グラエキアの見果てぬ夢
ヴィンケルマンの死
幻想の古代都市
ハドリアヌス帝廟と聖天使城橋
ヴィッラ・アドリアーナの方へ
イタリアの憂国忌――—あとがきに代えて
参照日本語文献/図版引用文献
谷川渥(たにがわ・あつし)
1948年生。美学者・批評家。著書に『鏡と皮膚――芸術のミュトロギア』(ちくま学芸文庫、2001年)、『シュルレアリスムのアメリカ』(みすず書房、2009年)、『肉体の迷宮』(ちくま学芸文庫、2013年)、『文豪たちの西洋美術――夏目漱石から松本清張まで』(河出書房新社、2020年)、『孤独な窃視者の夢想――日本近代文学のぞきからくり』(月曜社、2021年)ほか多数。