19世紀におけるナポリ・ヘーゲル派の異才スパヴェンタ(1817-1883)による弁証法を〈改革〉する試みと、それに対する20世紀のクローチェ、ジェンティーレの応答を収める。イタリアでのヘーゲル受容の百年におけるもっとも重要な一幕を再現するアンソロジー。シリーズ「古典転生」第6回配本(本巻第6巻)
シリーズ・古典転生
ヘーゲル弁証法とイタリア哲学
上村忠男=編訳
¥3,800 (税別)
19〜20世紀イタリアでのヘーゲル受容の百年におけるもっとも重要な一幕を再現するアンソロジー。
- 刊行年月: 2012.02
- A5判上製304頁
- 本体価格3,800円
- 22cm
- ISBN978-4-901477-91-8
目次
ヘーゲル論理学の最初のカテゴリー (ベルトランド・スパヴェンタ)
区別されたものの連関と対立するものの弁証法 (ベネデット・クローチェ)
変成の概念とヘーゲル主義 (ベネデット・クローチェ)
ヘーゲル弁証法の改革とB・スパヴェンタ (ジョヴァンニ・ジェンティーレ)
ヘーゲルと弁証法の起源 (ベネデット・クローチェ)
[付録]ヘーゲル論理学の「失われた弁証法」をめぐって (上村忠男)
編訳者あとがき
紹介記事
- 中村勝己氏書評(「図書新聞」2012年06月16日号「ヘーゲル論理学は、出発点で躓いているのでは ナポリ・ヘーゲル派の日本オリジナル版アンソロジー」)
上村忠男(うえむら・ただお)
1941年生まれ。思想史家。近著に『ヴィーコ』(中公新書、2009年)、『知の棘』(岩波書店、2010年)、『カルロ・レーヴィ『キリストはエボリで止まってしまった』を読む』(平凡社ライブラリー、2010年)など。編訳書にベネデット・クローチェ『クローチェ政治哲学論集』(法政大学出版局、1986年)、アントニオ・グラムシ『知識人と権力』(みすず書房、1999年)、『国民革命幻想——デ・サンクティスからグラムシへ』(未來社、2000年)、アントニオ・グラムシ『新編 現代の君主』(ちくま学芸文庫、2008年)、ベネデット・クローチェ『ヴィーコの哲学』(未來社、2011年)などがある。