地球内部に住む地底人の先進的な文明社会ヴリル=ヤとの接触をつぶさに描いた19世紀後半の古典的小説。卓越した道徳と科学力、超エネルギー「ヴリル」と自動人形の活用により、格差と差別だけでなく、労働や戦争からも解放された未知の種族をめぐるこの異世界譚は、後世の作家やオカルティストたちに影響を与え続けている。神秘思想、心霊主義、ユートピア思想、SFなどの系譜に本作を位置づける訳者解説を付す。【叢書・エクリチュールの冒険:第12回配本】
叢書・エクリチュールの冒険
来るべき種族
エドワード・ブルワー=リットン
¥2,400 (税別)
小澤正人[訳]
地下世界の超人的文明との遭遇譚
- 刊行年月: 2018.08
- 46判並製304頁
- 本体価格2,400円
- 18.8 x 12.8 x 1.9 cm
- ISBN978-4-86503-063-1
Categories: 全タイトル, 既刊 Tags: SF, エドワード・ブルワー=リットン, 叢書エクリチュールの冒険, 外国文学, 小澤正人
紹介記事
- 宇佐和通氏特集記事(月刊「ムー」誌2019年1月号「地底世界の奇書『来るべき種族』解読:ナチス・ドイツを動かしたヴリル伝説の聖典」)
- 冬木糸一氏短評(「SFマガジン」2018年12月号「OVERSEAS」欄)
エドワード・ブルワー゠リットン(Edward Bulwer-Lytton)
1803–1873。イギリスの政治家・小説家・劇作家。初代リットン男爵。ダービー内閣での植民地大臣(1858-1859)。社交界小説、政治小説、犯罪小説、オカルト小説など多様な分野で活躍したヴィクトリア朝の流行作家。日本でも明治時代に多くの作品が翻訳された。著書に、『ペラム』(1828)、『ポール・クリフォード』(1830)、『ポンペイ最後の日』(1832)、『アーネスト・マルトラヴァーズ』(1837)、『ザノーニ』(1842)、『不思議な物語』(1862)、そして本作『来るべき種族』(1871)など。)
訳者:
小澤正人(おざわ・まさと)
1953年生。東京学芸大学大学院修士課程修了。現在、愛知県立大学外国語学部英米学科教授。論文に「『ヴィルヘルム・シュトーリッツの秘密』と『透明人間』」、「H. G. Wells のSFとユートピア批判」、「H・G・ウェルズの『モダン・ユートピア』とユートピア思想」など、翻訳に、ダニエル・ピック『戦争の機械――近代における殺戮の合理化』(法政大学出版局、1998年)がある。