障害、福祉、精神医療、債務、BI、貧困などに向き合いながら〈別の生〉を開く統治論の新たなる展開。来たるべき政治のために資本主義と統治の根拠とその現在を批判し〈なに〉と〈いかに〉闘うべきかを問い続けてきた根源的にして戦闘的な哲学者による政治社会論〈全二巻〉
闘争と統治 ― 小泉義之政治論集成 II
小泉義之
¥2,600 (税別)
資本主義の「リアル」を破壊する
- 刊行年月:2021.07
- 46判並製368頁
- 本体価格2,600円
- 18.8 x 12.8 x 2.5 cm
- ISBN:978-4-86503-115-7
目次
はじめに
Ⅱ-1 運動/政治
一九六八年以後の共産党――革命と改良の間で
日本イデオローグ批判
殺すことはない
誰かの死だけが和らげる苦痛?
配分的正義を――死の配分と財の配分
戦争と平和と人道の共犯
競技場に闘技が入場するとき
老女と人形――現代における迷信と科学
人工知能の正しい使用法――人間の仕事がなくなる危機を好機とする
天気の大人――二一世紀初めにおける終末論的論調について
啓蒙と霊性
天皇制論の罠
死骸さえあれば、蛆虫には事欠かない
謀叛と歴史――『明智軍記』に寄せて
Ⅱ-2 統治/福祉
包摂による統治――障害力テゴリーの濫用について
統治と治安の完成――自己を治める者が他者を治めるように治められる
多彩な療法の分散――その歴史と行方
経済の起源における債権債務関係の優越的地位――『道徳の系譜』と『通貨論』
残余から隙間へ――ベーシックインカムの社会福祉的社会防衛
国家の眼としての貧困調査
死に場所を探して
モラリズムの蔓延
資本主義の軛――補足として
初出一覧
おわりに
紹介記事
- 大野光明氏書評「腐朽のなかで闘争の現在地を探りあてる――次に動くのは「私たち」の番だ」(「週刊読書人」2021年11月12日号)
小泉義之(こいずみ・よしゆき)
1954年札幌生まれ。専門は、哲学。立命館大学大学院先端総合学術研究科特任教授。
最近の主な著書:『あたらしい狂気の歴史―精神病理の哲学』(青土社、2018年)、『あたかも壊れた世界―批評的、リアリズム的』(青土社、2019年)、『ドゥルーズの霊性』(河出書房新社、2019年)、『フーコー研究』共編著、岩波書店、2021年)