哲学書房 出版目録
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哲学書房について出版目録生命思想哲学文学芸術科学心理哲学文庫季刊哲学哲学選書魂の本性

思想  

蓮實養老 縦横無尽 学力低下・脳・依怙贔屓 
蓮實重彦養老孟司 著

個と普遍の関係を人類はいまだ調定していない。たとえば脳内の「リンゴ活動」に他ならないイデアとしてのリンゴと言語と外界のリンゴ、の同一性と差違について。あるいは具体物から直ちに「・・・とは何か」と問う問いにおいて。潜在性として在る細部に触れ(依怙贔屓)、顕在化(現勢化)させることから始めなければならない。これが本書の主題だ。

定価2,200円(税別)
176頁
四六版
2002.1.20. 初版発行
ISBN4-88679-075-5


これはパイプではない
ミシェル・フーコー 著 豊崎光一清水正 訳

丹念に描かれたパイプの下に、さながら標題のように添えられた文字は「これはパイプではない」と読める。十五世紀このかた西欧を支配してきた二つの原理、表象と言語の分離、類似と肯定とを等号で結ぶこと、をマグリットは微塵に砕いた。パラドクスの迷路、自己言及の回路に踏み入って、二十世紀の思考の命運を拓いた、フーコー一九六六年の傑作。

定価2,400円(税別)
135頁
四六版
1986.4. 初版発行
ISBN4-88679-002-X
フランス現代思想

同性愛と生存の美学
ミシェル・フーコー 著 増田一夫 訳

同性愛とは欲望の形態ではなく、生存の問いとしての関係のこと。ヘレニズム期黄金時代から帝政ローマの衰退期をへて十九世期に医学的省察の対象になる同性愛の問題化の歴史を辿り、また性を産出する性現象の装置を暴く。こうして、多形的な、多様な、個人に応じて調整された関係、文化と倫理をもたらす関係、新しい生の様式の創造の可能性を説く。

定価2,330円(税別)
197頁
四六版
1987.5. 初版発行
ISBN4-88679-012-7
フランス現代思想

【ミシェル・フーコー文学論集1】
作者とは何か?
ミシェル・フーコー 著 清水徹豊崎光一 訳

表現(エクスプレッション)から解放されたエクリチュールは、死との近親性をいよいよ露わにする。かつては不死性をもたらした「作品」が、いまや自らの作者を殺す。こうして作者の消滅によって残された空無を標定する「作者とは何か?」に「拒たり・アスペクト・起源」及び「空間の言語」を加える。フーコーの思考の基底部をなす文学論集の第一弾。

定価2,800円(税別)
173頁
A5版
1990.9. 初版発行
ISBN4-88679-042-9
フランス現代思想・文学評論

【ミシェル・フーコー文学論集2】
幻想の図書舘
ミシェル・フーコー 著 工藤康子 訳

図書館は火につつまれている、と本書にフーコーが記した瞬間、新たな文学空間が象られ、批評のシステムが始動した。これは二十世紀文学史上の「事件」であった。ここに、他の書物たちの夢としてフロベールの『聖アントワーヌの誘惑』がある。『誘惑』というテクストを成す映像の奥行きを計測してフーコーは、フロベール読解の新たな地平を拓くのだ。

定価2,427円(税別)
143頁
A5版
1991.3. 初版発行
ISBN4-88679-048-8
フランス現代思想・文学評論

【ミシェル・フーコー文学論集3】
壁のなかの言葉
ミシェル・フーコー 著 松本勤 訳

声とテクスト、頁と話し言葉が交差する。ルソーという言語の事件があった。監視と合図のシステムの中で、線状の言語から垂直の言語への転換が起る。そして〈私の単一性〉はどこに回復されるか。ルソーとジャン=ジャックと監視するフランス人との、夢見られた三位一体は、神のような孤独と合する。フーコーの後の主著の諸テーマを学んだ文学論。

定価2,427円(税別)
98頁
A5版
1990.11. 初版発行
ISBN4-88679-044-5
フランス現代思想・文学評論

原子と分身 ルクレティウス/トゥルニエ
ジル・ドウルーズ 著 原田佳彦丹生谷貫志 訳

アトムは思惟させる。アトムはクリナーメンの故に、落下運動の中で会合する。クリナーメンとはさまざまな因果系列の会合の規定なのだ。また分身とは、そこにおいて諸元素が天空的なものへと生成するイマージュ。他者による時間的落差の中に主体と客体は形成される。ドゥルーズ哲学の背骨、エビクロス・ルクレティウス・スピノザのテーマ群を凝縮。

定価1,500円(税別)
125頁
A5版
1986.11. 初版発行
ISBN4-88679-007-0
フランス現代思想・文学評論

エロティシズムの歴史
ジョルジュ・バタイユ 著 湯浅博雄中地義和 訳

エロティシズムとは、否定と回帰、禁止と侵犯という二重の運動の総体のことだ。精神と尊厳と超脱を動物的貧欲に対置すること、つまり自然を禁止することによって〈人間〉が生成した。恥ずべき肉体と性と死(=殺人)の禁止。しかし欲望が、禁じられたもの=聖なるものを呼び返す。禁止と侵犯の同時性。流布版『エロティシズム』の原典、本邦初訳。

定価3,200円(税別)
303頁
四六版
1987.2. 初版発行
ISBN4-88679-009-7
フランス現代思想

〈非・知〉 閉じざる思考
ジョルジュ・バタイユ 著 西谷修 訳

〈非・知〉は、啓示と同様の豊かさをもつ体験。神とは〈非・知〉の効果なのだ。聖テレサに固有であったと同時に十字架の聖ヨハネのものでもあった体験、ニ−チエと同じバタイユの体験。だが〈非−知〉とは何か。思考に内在する思考ではなく、至高のものについての思考を対象とする思考だ。他者、外、未知のもの、との出会いという思考の条件を問う。

定価2,100円(税別)
216頁
四六版
1986.9. 初版発行
ISBN4-88679-005-4
フランス現代思想

ミシェル・フーコー 想いに映るまま
モーリス・プランショ 著 豊崎光一 訳

バロック的文体をもって真実の探求にまつわる危険を暴き続け、ついには最も魅力的な著作の一つ『性の歴史』の新たな晴朗さに至るフーコーの事蹟を辿り、誤解から解き、言説実躇の実相を刻む。〈友愛はフーコーに死後の贈り物として約束されていた〉。かつてフーコーは、卓抜なブランショ論「外の思考」を書いた。これは、それへの返礼あるいは追悼。

定価1,300円(税別)
92頁
四六版
1986.12. 初版発行
ISBN4-88679-008-9
フランス現代思想

ニーチェと悪循環
ピエール・クロソウスキー 著 兼子正勝 訳

永却回帰の啓示が、人格の同一性の下に蠢く無数の〈強度〉を解放する。言語の秩序の手前にあって、名前も形も意味も欠いた〈強度〉に自らを開くニーチェの思考は、明晰と錯乱と陰媒のアマルガムだ。いま〈わたし〉の中にあって〈わたし〉ではない不定形の力が〈わたし〉に勝つ。これは、ニーチェを語り得る場所を指し示す、今世紀最大の力業だ。

定価4,500円(税別)
492頁
A5版
1989.2. 初版発行
ISBN4-88679-029-1
フランス現代思想

ローマの貴婦人 ある種の行動の祭祀的にして神話的な起原
ピエール・クロソウスキー 著 千葉文夫 訳

神話的世界が見世物的世界に転じる過程のことが「ローマの頽廃」と名づけられる。ウェルギリウスやアウグスティヌスやテルトゥリアヌスのテクストの間を自在に往還して、これを一個の遊戯空間に変え、ローマのエロティシズムが語られる。アウグスティヌスの嘲弄をニーチェの笑いに重ねる、クロソウスキーの想像的世界への著者自身による脚註である。

定価1,800円(税別)
141頁
A5版
1989.11. 初版発行
ISBN4-88679-036-4
フランス現代思想

フーコーの声 思考の風景
渡辺守章 著

〈外部〉が思考となり言説となり光となるのは、他ならぬフーコーの名でよばれる、透明で千変万化する強靭な襞においてにほかならない。これを二十世紀後半の思考の風景に、近代の哲学に、ギリシアに発する〈知の制度〉に重ね焼きする。友人にして共著者、翻訳者でもある渡辺守章が、哲学の系譜学に故人を据えなおす、フーコー論としての哲学史。

定価2,400円(税別)
383頁
四六版
1987.2. 初版発行
ISBN4-88679-010-0
フランス現代思想

未知なるもの=他なるもの
ランボー・バタイユ・小林秀雄をめぐって
湯浅博雄 著

他者、力の横溢が〈私の同一性〉を超過し、書かれる語の運動に巻き込まれて〈私〉は消滅する。ピュシスの生成に結ばれた内奥の回復こそ、〈私=他者〉の経験の深化、〈未知〉と呼ぶ以外にない経験への接近なのだ。ランボー、バタイユ、小林秀雄のテクスト群が、無限、単独者、超越など、時代の課題の宝庫に一変し、文学の最深部で哲学が発光する。

定価2,100円(税別)
461頁
四六版
1988.3. 初版発行
ISBN4-88679-019-4
現代思想

難破船
ハンス・ブルーメンベルク 著 池田信雄岡部仁土合文夫 訳

ひとは生の運動の理解に、好んで航海の喩を用いる。海は自然の境界、法の外の魔界、邪悪なものの場だ。古代ギリシア、天才の十七世紀、現代など、歴史観察の拠点を選んで、難破の隠喩を手がかりに思想史を描き出す。理論や概念が劇的に転換するのに対して、その胚ともいうべき神話や隠喩は、そのたびに自らを変形して生きながらえるのであった。

定価2,400円(税別)
461頁
四六版
1988.3. 初版発行
ISBN4-88679-032-1
フランス現代思想

サッカー狂い 時間・球体・ゴール
細川周平 著

球体は始原の運動、渦巻く力の界面であり、出来事を生成する。サッカーの時間とは収縮した持続、浮遊する線、アイオンだ。そしてゴールという巨大な時間の停止。ボールは嵩高な作用だけを許す。世界で最も美しいスポーツ、競技の王様、人を狂わせる事件、サッカー。これはサッカーに狂った著者によってサッカーそのものにさせられてしまった書物。

定価2,500円(税別)
252頁
四六版
1989.1. 初版発行
ISBN4-88679-028-3
フランス現代思想
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