哲学書房 出版目録
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哲学書房について出版目録 生命思想哲学文学芸術科学心理哲学文庫季刊哲学哲学選書魂の本性

哲学  

叢書=精神史
茶の本――何が<和>でないか 
岡倉天心・黒崎政男 著

茶は高雅な遊びにして詩歌の域に達し、精神の幾何学にしてひとつの「宗教」をなす。地中海とバルト海にも喩えられる揚子江と黄河はそれぞれに道教と儒教をはぐくむ。道−禅の血を享ける茶の原理を天心はダイナミックに説いて、おのずからヨーロッパ近代の精神の深みを映した第一級の哲学書と成した。初版原典=英文も忠実に再現収録して、百周年記念出版。

定価2,500円(税別)
四六判・上製
ISBN4-88679-264-2
C1010

哲学

笑いと哲学の微妙な関係
――25のコメディーと古典朗読つき哲学饗宴[魂の本性3]
 
山内志朗 著

笑いとは、その内に目的を内在させたエネルゲイアである。いうまでもなく、哲学もまた。それゆえにこそ、人は笑いの哲学をもとめて餓えた。25のコメディー(あのコメデア デラルテ?)に、その原典が付いた、微笑・含笑・大爆笑の饗宴(つまみ食いの宴)。本書こそ、ついに成った「笑いの哲学」だ。おのずから心が養われる、哲学をたしなむ本。

定価2400円(税別)
四六版・上製
2005.08 初版発行
ISBN4-88679-152-2-C0010
哲学

モデルニテ・バロック――現代精神史序章 
坂部恵 著

世界を生成することばの形而上学を継ぐバロックは、一つの時代の終りに立ち会う者の生と思考のスタイルとして、モデルニテと通低する。モデルニテとは時間と時間を越えたものとの総合だ。世界は今モデルネの喪の中にある。エリウゲナなどヨーロッパ霊性と、ヒンズー的想像力の嫡子である空海を結ぶ霊感の源から、新たな歴史の次元を組み上げる。

定価2600円(税別)
四六版・上製
2005.4.20. 初版発行
ISBN4-88679-087-9-C1010

哲学

肉中の哲学
  
――肉体を具有したマインドが西洋の思考に挑戦する 
G・レイコフ、M・ジョンソン 著 計見一雄 訳

意識には到達できないニューラルな過程に分け入って、概念や推論の構造を明らかにし、メタファーが脳内に実体化される機序を解く。これら身体化された経験がマインドと身体を分離させるのだ。この分離の上に全哲学は展開される。それにもかかわらず肉に埋め込まれたマインドは「世界の肉」から分離できない。ポストモダン哲学以降の新しい哲学が始まる。

定価2400円(税別)
200頁 四六版
2003.11.20. 初版発行
ISBN4-8867950-6-c0010 Y2400E

哲学

ウィトゲンシュタインから龍樹へ
           ――私説「中論」
 
黒崎宏 著

生成Werdenを否定し、本質=実体を否定して、空の哲学を体系化した「中論」の中に、これを支える二つの原理、縁起の原理と一重の原理を発見し、ウィトゲンシュタインに結ぶ。一切は空であり、空とは縁起すなわち意味的諸関係によって存在するということだ。真に存在するものこそ、言語ゲームなのだ。著者の永く深い、仏教との格闘がここに実る。

定価2310円
(本体2200円+税5%)
210頁 四六版
ISBN4-88679-085-2 C1010


哲学

なぜ私たちは過去へ行けないのか
           ――ほんとうの哲学入門
 
加地大介

タイムトレベルの物語はなぜ人を惹きつけるか。過去は変えられるのか、未来は決定しているのか、そもそも過去へ行けるのか。謎は因果や宿命をめぐってさらに深まり、ついには時間とは何かに辿り着く。一方、鏡はなぜ左右だけを反転させるのか。今度は空間とは何かが問われる。そして、重力に逆らって生きる人間の進退感覚も。哲学中心部が開く。

定価2400円(税別)
200頁 四六版
2003.11.20. 初版発行
ISBN4-8867950-6-c0010 Y2400E

哲学

存在そのものへ――真実在解明のプリンキピア 
中里存仁 著

何か「在るもの」をではなく「在る」ことそのものを問う。これが第一哲学である。前ソクラテス期、プラトン、アリストテレスからトマスを経てニーチェに至るテクスト群を深く読解して本書は、哲学の聖地に現代の形而上学をうちたてる。ウーシアは不生にして永劫、そして意識は、自存する存在そのものが自らを見るための窓なのだ。

定価2600円(税別)
250頁 四六版
2003.7.1. 初版発行
ISBN4-88679-510-2 C1040


哲学

ウィトゲンシュタインから道元へ 
黒崎 宏 著

迷いも死も含めての全面肯定と、生も滅も世界さえもの全面否定と、これらを越えた安心立命。道元はさらに一歩超出する。つまり絶対的な肯定、自受用三昧だ。これはニーチェの大いなる肯定、永遠回帰に通じる。その底に存在への信仰がある。言語ゲームの世界における「意味」とその背後の「存在」に辿り着いたウィトゲンシュタインと道元が交感するのだ。

定価2200円(税別)
160頁 四六版
2003.2.25. 初版発行
ISBN4-88679-083-6


哲学

同一性・変化・時間 
野矢茂樹 著

私が、変化しながら同一であるとはどういうことか。固有名は、生成の時点から現在に至る四次元連続体を指し示す。一方、認識の変化につれて言語は変り、存在論が変れば言語も変る。同一性は過去を振り返る時に現われる。言語は同一性の残響のもとに変化を立ち現われさせるのだ。変化がなければ時間もない。時間を流れさせるのもまた言語なのだ。

定価2400円(税別)
284頁
四六版
2002.9.15. 初版発行
ISBN4-88679-081-X

哲学
ウィトゲンシュタイン「論理哲学論考」を読む 

野矢茂樹 著

人類はウィトゲンシュタインを真に理解するのに約一世紀を要したというべきか。 本書はその記念碑。『論理哲学論考』を一点の曇りもなく解説し明晰で柔らかい言葉で語り直した。 「われわれはどれだけのことが考えられるか」という問いへの答えであり、 語り得ないものである論理と倫理を示した『論考』が生きたまま立ち上がる。野生の無限が閃く。

定価2400円(税別)
302頁
四六版
2002.4.10. 初版発行
ISBN4-88679-078-X

哲学

デカルトにおける<比例>思想の研究 
名須川 学 著

処女作『音楽提要』から最後の『情念論』までを貫く デカルト形而上学の核心をその生成過程において捉え、 思惟枠を検討して、魂と肉体の解け合わぬ合一に世界 の秩序を見出すに至る思索の動態を描く。 デカルトは協和音を論じて離散量(理性)と連続量(感覚) を統合し、比例論において道徳を変革し、受動と能動の関係から 意志を説いたのであった。

定価7000円(税別)
518頁
A5版
2002.2.20. 初版発行
ISBN4-88679-076-3

哲学

【中世哲学叢書 3】 真理論
トマス・アクィナス 著 花井一典 訳

神の三つのペルソナの同等であることから説き起すアリストテレスの伝統を踏み、初めて真理自体を問うてトマスは中世真理論を完成する。現るがままのもの、であるエンスが、知性と合致する時、真なるものは成立する。認識とは合致の結果にほかならない。これは、哲学永遠の主題である「真理」をめぐる体系的叙述として、古今に比類なき到達点である。

定価3500円(税別)
257頁
四六版
1990.1. 初版発行
ISBN4-88679-038-0

哲学

【中世哲学叢書 5】 存在の一義性
ドゥンス・スコトゥス 著 花井一典山内志朗 訳

西洋形而上学の理解に欠くことのできない、精密博士スコトゥスの哲学において「存在の一義性」はその要をなす。類比説に対してエンス概念の一義性を主張し、神を学的に認識する道をひらき、「もの」一般について有意味な命題を語り得る基盤を作ったのだ。世界的に関心が高まっているテキストを、他の国々に先がけて、初めて現代語にうつしかえた。

定価3800円(税別)
375頁
四六版
1989.3. 初版発行
ISBN4-88679-030-5

哲学

【中世哲学への招待 1】普遍論争 近代の源流としての
山内志朗 著

普遍は「ものの前」(実在論)、「ものの内」(概念論)、「ものの後」(唯名論)の間の論争? 実在論と唯名論を調停すべくアベラールが概念論を打ち出した? いまや本書がこの図式の虚構を暴く。いわゆる「普遍論争」は十九世紀に捏造されたのだ。普遍を成立させる原因となる「事態」とは何か、これこそが普遍論争の真のテーマなのだ。中世哲学の現場が蘇る。

定価6699円(税別)
400頁
A5版
1992.11. 初版発行
ISBN4-88679-053-4

哲学

無底と根底 ベーメ神秘主義主要著作集
ヤーコブ・ベーメ 著 四日谷敬子 訳

神は何であるか、神はどのように知り得るか、神はなぜ悪をも創ったか?等の開いを発し続けてベーメは、「無底としての神性からの神の誕生」に至る。無底は自らを、諸始源に分かつ。神の、永遠の自然と時間的自然への分開。ノヴァーリス、ヘルダーリン、シェリング、ヘーゲル等の「母」として近代=現代の源流ともいうべきベーメ神智学の核芯部を収録。

定価4757円(税別)
370頁
A5版
1991.1. 初版発行
ISBN4-88679-046-1

哲学

ヤコブ・ベーメ 開けゆく次元
南原実 著

無は、一者、永遠、無限にして神である。神は何ものにも依らず、神を支える根拠は無い、ゆえに底無しである。無は求める意志となり、意志は視線となり、視線は円を成し、眼球となる……。続いて神の内部の運動、欲の外化が始まる。欲は収縮して第一物質となり、次いで、苦さとして遠心運動を始める……。ベーメ思想の動態相を、言語の系に移す試み。

定価4757円(税別)
268頁
A5版
1991.3. 初版発行

ISBN4-88679-047-X
哲学

プリンキピア・マテマティカ序論
A. N. ホワイトヘッドB. ラッセル 著
岡本賢吾戸田山和久加地大介 訳

二十世紀に至って突如、生と思考のあらゆる領域に、パラドクス=悪循環の問題系が露出する。ラッセルとゲーデルがそれを数学の基礎中に見出して以降、精神分裂病の原因、認識の基盤、生命の起源……に通底する自己言及のパラドクスが次々と解かれる。文学からコンピュータ科学までを生気づける、二十世紀知の始点、一九一〇年初版からの本邦初訳。

定価3000円(税別)
350頁
四六版
1988.7. 初版発行
ISBN4-88679-023-2

哲学

人工知能になぜ哲学が必要か フレーム問題の発端と展開
J. マッカーシーP. J. ヘイズ松原仁 著
三浦謙 訳

知的な機械を作ろうとした途端、ひとは哲学の伝統的問題の前に立たされる。知識とは何か、記憶や学習、因果や可能世界、他者や自由とは何か、等々。わけても、状況とはある瞬間の宇宙の全的な状態であるとして、この無限量の情報のうち、何を無視するかというフレーム問題こそ人工知能の最大難問である。その発端をなす名論文と最新研究を収める。

定価3398円(税別)
256頁
四六版
1990.7. 初版発行
ISBN4-88679-041-0

哲学

模型は心を持ちうるか
人工知能・認知科学・脳生理学の焦点
V. ブライテンベルグ 著 加地大介 訳

脳は宇宙の断片であるとして「心」とは何か。神経解剖学者にしてサイバネティクス研究者である著者は、空想世界に単純な模型を遊泳させる。センサーとモーターしかない模型のふるまいは、なぜか心理学用語で解説したい欲望を誘う。ついには模型は自我を持っているかのように見え始める。……そして脳生理学の知見が「物語」を現実に結びなおす。

定価2200円(税別)
232頁
四六版
1987.6. 初版発行
ISBN4-88679-013-5

哲学

哲学者はアンドロイドの夢を見たか
人工知能の哲学
黒崎政男 著

ギリシア人は、ピグマリオンを、ファウストはホムンクルスを、現代科学はアンドロイド=人間のような=ロボットを夢見る。人工知能研究の背後にある記号主義こそ近代哲学の発明した思想だ。人工知能との対比において人間とは何かを問うとは、哲学の根幹を問うことだ。コンピュータ科学と十八世紀言語哲学と中世論理学を結ぶ巨大な問題系が浮上する。

定価2100円(税別)
166頁
四六版
1987.10. 初版発行
ISBN4-88679-016-X

哲学

ウィトゲンシュタインと禅
黒崎宏 著

肯定が否定であり、否定が肯定である「即非の論理」こそ禅の公案を解く鍵。これはたとえば、語り得ぬゆえに指し示されるほかない神は、神ではない、ということを証す論理ではないか。前期『論考』に発する論理実証主義、後期『探求』の影響下にある日常言語学派など、現代哲学の源流というべきウィトゲンシュタインの哲学によって禅の核心を解く。

定価1500円(税別)
126頁
四六版
1987.9初版発行
ISBN4-88679-015-1

哲学

羅独-独羅 学術語彙辞典
麻生建ほか 編

かつて思考の行為はラテン語を用いて、スコラの枠組の中で営まれていた。十八世紀に至ってドイツ語の学術語の形成が始まり、やがてカントを生むドイツ思想が自発する。この辞典は、こうして現れるドイツ語学術語とその元をなすラテン語とを当時の学術書から収集してコンピュータ処理を施したもの。哲学・神学・法学・数学・文法学等諸分野に亘る。

定価25000円(税別)
797頁
A5版
1989.5. 初版発行
ISBN4-88679-033-X

哲学

【世界哲学史 1】
哲学思想の端緒過程 生命の世界・意志の世界
山崎正一 著

人類は生命的世界に登場する。約三万年前の旧石器時代、母性の生殖力を象徴する女性像がすでに現れる。大地の生命、死と再生をめぐる思惟の時代の女性神が、意志的合理的男性神にとって代わられる時、愛と義の概念が生まれる。ザラスシュトラやユダヤの予言者の思惟の生成に至る哲学思想の端緒がダイナミックに語られ、ギリシア哲学への移り行きが展望される。

定価3200円(税別)
326頁
四六版
1999.8. 初版発行
ISBN4-88679-069-0

哲学

叢書[能動知性]5−実在と自己
『善の研究』
西田幾多郎香山リカ 著

「もの」が「ある」、あるいは「こと」が「起こる」とは直観される事実である。実在とは純粋経験のこと、すなわち意識現象である。独立自全の真実在は矛盾をはらんで分化発展し、統一されると再び自展する。実在から主-客が分離し、主観つまり統一する力が「我」。自己は無限の統一者にして宇宙の統一力そのもの。西田哲学の展開の可能性を全てはらんだ主著。

定価2500円(税別)
300頁
四六版
2000.7.10. 初版発行
ISBN4-88679-255-3

哲学
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