哲学書房 出版目録
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哲学書房について出版目録生命思想哲学文学芸術科学心理哲学文庫季刊哲学哲学選書魂の本性

 

生命  

生命理論――第1部 生成する生命 第2部 私の意識とは何か 
郡司ペギオ−幸夫 著

ひとは世界の(中の)一点に座して、内側から世界を見る。本当にそうか。実は、世界全体(という外部)が前提されない限り、世界を内側から眺めるという表現は意味を持たないのだ。内側からの描像と外側からの描像とが捻れながら補完しあう。すると、真の問題は何か。これが本書の主題だ。哲学文庫二分冊『生成する生命』と『私の意識とは何か』を統合したcomplete版。郡司理論の全貌が顕わになる。

定価4,600円(税別)
四六判
ISBN4-88679-088-7
C1040

生命・哲学・サイエンス一般

自らがん患者となって――私の胃全摘とその後:がん研究と臨床の明日に想いを致す 
杉村隆 著

生化学者としてロゴスの化身、それに先だって医師として生命のふるえを触知するヌースの人であり、かつがん患者として一人の病者である著者の、重畳するペルソナが、自らの身体過程をそれぞれに掬い上げる。これはたおやかな精神の劇だ。胃の全摘によるダンピング症状の避け方から、ピエリシンによるがん治療の可能性まで、知性の翼が翔ける。

定価1,800円(税別)
四六判
ISBN4-88679-180-8
C0047

生命・サイエンス一般

スティグマと差別を超えて――脱施設化と地域ケア 
浅井邦彦 著

17世紀、狂気は俄かに社会から隔離される。今日もなおスティグマ(偏見)と差別は精神障害者を孤立させている。障害者の治療と社会復帰をはじめとする精神保健運動の動態を歴史に沿って世界の視点から明かし、脱施設化と地域ケアの方向を論ずる。哲学的思弁に回収されて、高踏的スティグマを再生産しかねない精神病理学に治療現場から警告し賦活する。

定価3,400円(税別)
395頁 A5版
2004.02.25 初版発行
ISBN4-88679-512-9-c1047 Y3400E


生命・サイエンス一般

脳と心の調和に向って――新しい精神医療と福祉 
浅井邦彦 著

分裂病(統合失調症)は、人格崩壊のプロセスをたどらない! つまり慢性進行性の病気ではないのだ。精神病概念の大転換が医療の新しい展開をうながしている。病院から院外のさまざまな施設へ、そしてコミュニティーケアへ。研究者にして実践家(病院長)である著者によって、mindlessの精神医学とbrainlessの精神医学を超える途がさし示される。

定価3,400円(税別)
362頁 A5版
2004.01.05 初版発行
ISBN4-88679-511-0-c1047 Y3400E


生命・サイエンス一般

免疫、生命(いのち)の渦 
西原克成 著

生命とは、エネルギーの渦の回転にともなって起こるリモデリング(代謝=再生)である。旧くなった細胞や腫瘍細胞を見分けて分解・解毒し、つまり消化して再生するシステムが免疫である。今日の免疫学は消化の分子過程のみを追っている。三木成夫を継いで臨床系統発生学を起し、免疫疾患の機序を解明し、エネルギー制御による治療法を確立した新・免疫学。

定価2,600円(税別)
302頁 四六版
2003.9.10 初版発行
ISBN4-88679-084-4 C1047


生命・サイエンス一般・遺伝子

脳の中の過程  解剖の眼
養老孟司 著

〈真理〉とは脳内過程で無矛盾、ということにほかならない。数学は脳の機能そのものなのだ。また、知覚系を通過して脳にたどりつくものを処理する形式が言語である。比例関係が選択的に抽出する視覚の性質から幾何学が生じる。……解剖、時間、博物、論理、発生を論じておのずから脳内過程に説き及ぶ、思考のカプリチオあるいは、科学の脱・構築。

定価2,330円(税別)
317頁
四六版
1986.10. 初版発行
ISBN 4-88679-006-2

生命・サイエンス一般・遺伝子

「私」はなぜ存在するか  脳・免疫・ゲノム
多田富雄中村桂子養老孟司 著

脳の自我と免疫の自己とゲノムの私とはどのように相即するか。刻々変りながらかつ持続する私とは何か。常にたった一個の細胞から自らを創出する生命システムである「自己」の真実に迫り、生物の学への個の回復を説く。今最もアクチュアルな、哲学する科学者三人が、時代の核をなすべき「生命のリアリティー」を摘出して、新たな思想の原理を象る。

定価2,330円(税別)
244頁
四六版
1994.9. 初版発行
ISBN4-88679-057-7

生命・サイエンス一般・遺伝子

自己創出する生命  普遍と個の物語
中村桂子 著

DNAは六〇年代に記号として読まれ、七〇年代に物質として操作され、今日ゲノムとして認識されるに至る。複製ではなく自己創出が、性と死の始まりが、時間の発生がゲノムから見える。ゲノムは、生きものという普遍性と、かけがえのない単独性とを個体の中に実現する。いまや「神」、「精神」に代って「生命」が時代のスーパーコンセプトとなる。

定価2,300円(税別)
224頁
四六版
1993.8. 初版発行
ISBN4-88679-055-0

生命・サイエンス一般・遺伝子

生命誌の扉をひらく  科学に拠って科学を超える
中村桂子 著

バイオ=ヒストリーとは、「時間のときほぐし」としての生命の不思議と魅力に真直に向う知。いまや物理学化学に変容した生物学の先端において、科学を内在的に超えるための拠点。メンデルのわなを解いてゲノムを視野に収め、ワトソン=クリックのわなを解いて「間違いの保存」に注目する。多次元に擬足を出して生成途上にある生命誌概念を実写する。

定価2,200円(税別)
208頁
四六版
1990.12. 初版発行
ISBN4-88679-045-3

生命・サイエンス一般・遺伝子

解剖の時間
養老孟司布施英利 著

現実の一瞬を〈写真のように〉把捉する方法と、ものの永遠不変の本相を見る途と。陰影による解剖図(西欧)と線による描法(日本)の違いだ。五万年の間変化していない人骨を描いた、解剖図の著しい変遷。鍵は骨の見方、つまりは眼と脳にある。解剖図とは実は脳内過程の報告書だ。いま、レオナルドの視線が解明され、ヴェサリウスの位置が測られる。

定価3,600円(税別)
233頁
A5版
1987.8. 初版発行
ISBN4-88679-014-3

生命・サイエンス一般

恐龍が飛んだ日 尺度不変性と自己相似
柴谷篤弘養老孟司 著

科学のアヴァンギャルドとしてのポスト分子生物学を鳥徹する眼は何をとらえるか。筋の記憶と動的平衡、調節遺伝子と種の決定、階層性と入れ子と網目、尺度不変性の臨界、ホロニック・パスの科学認識論的な系譜、フラクタルとクレブス回路。そしてダーウィンはなぜクジャクの目玉模様を嫌ったか。いま科学の先端が博物学に捩れ込む現場を証言する。

定価1,900円(税別)
193頁
四六版
1986.6. 初版発行
ISBN4-88679-004-6

生命・サイエンス一般

季刊ビオス 1  生きているとはどういうことか
多田富雄ほか 著

「生きるもの」は全て、おのずから生じ、みずからを形づくる。「生きているもの」を生きものたらしめる、おおもとの力、「生命」とはいったい何か。この世界にあって運動するあらゆるものを貫いている根源的生命とは宇宙そのものといいかえることもできる。それは芽ぶき、生成する自然だ。生きることの根に結ばれたことばによる、哲学がいま始まる。

定価2,200円(税別)
216頁
A5版
1995.10. 初版発行
ISBN4-88679-300-2

生命・サイエンス一般

季刊ビオス 2  この私、とは何か
日野原重明ほか 著

この私、他の誰でもないこの私、かけがえのないこの私とは何か、という問いは、父母未生以前に遡って、はるか数十億年にわたってたゆたういのちの流れに辿りつく。いのちの永遠性が私という個体に実現する。それゆえ人は神について思をこらし、あるいは私から解き放たれたいと願う。文学や精神医学や生物学が、自我や私のからだや私の脳を問う。

定価2,200円(税別)
244頁
A5版
1996.1. 初版発行
ISBN4-88679-301-0

生命・サイエンス一般

講座生命1 (1996)  生命の思索
中村雄二郎木村敏 監修

生きものとしての生命を生きる営みの一部であった、知ることや考えることは。生命を問うとは、哲学することの成立の基盤そのものを問うという自己言及のパラドクスに抗すること。たとえば「脳死」に促されて「生命」に向きあった刹奈、通常の論理は破綻する。哲学をその生誕の源において回復するための、これは年一回刊行される新形式の講座である。

定価3,400円(税別)
285頁
A5版
1996.9. 初版発行
ISBN4-88679-061-5

生命・哲学・サイエンス一般

講座生命2 (1997)  複雑系としての生命
中村雄二郎木村敏 監修

部分から成り立つはずの全体を理解することなしには部分が理解できない系、つまり複雑系で、生命はある。たとえば脳は複雑系の典型である。カオスは様々な秩序や無秩序を生み出す「綾」であるが、脳ではカオス的なニューロンの活動によって変化を続けるダイナミックな様相として情報が現れるのだ。複雑系としての生命を論じ、「目的因」を科学が手中にする。

定価3,400円(税別)
268頁
A5版
1997.12. 初版発行
ISBN4-88679-064-X

生命・哲学・サイエンス一般

講座生命3 (1998)  交感と他者
中村雄二郎木村敏 監修

人が、それによって生きられている、ある力。その力が人の人生を生きている。力とはつまり身体。交換可能な「同一性」ではなく、他ならぬ私の「自己性」が身体の間の共感性を通じて他者に受容されることを、人は望む。他者と私との身体の等根源性から、生命と感覚を問うて、鏡にして振動する場、プラトンのコーラーをアリストテレスの共通感覚に結ぶ。

定価3,400円(税別)
260頁
A5版
1998.12. 初版発行
ISBN4-88679-066-6

生命・哲学・サイエンス一般

マンガ免疫学  「細胞」がつくる「自己」の世界
萩原清文 作画 多田富雄谷口維紹 監修

生物はさまざまな細胞を「自分」として統一し、「非自己」を拒絶する。このしくみがなかったら「あなた」も「わたし」もなく犬も猫もない。「自己」を維持することは生物にとって根元的な営みのひとつであり、これこそが免疫系の仕事なのだ。この免疫系という込み入ったシステムのメカニズムを、若い医師の柔軟な頭脳がマンガという表現形式に翻訳した。

定価2,200円(税別)
48頁
A5版
1996.4. 初版発行
ISBN4-88679-060-7

生命・免疫・分子生物学

マンガ分子生物学  ダイナミックな細胞内劇場
萩原清文 作画 多田富雄谷口維紹 監修

生きもののからだは細胞で出来た社会であり、細胞たちは協力や競争をくり返し、関係を結んで力動的にはたらく。細胞の中では分子たちがドラマをくりひろげる。DNAからタンパクが出来、タンパクが様々に働くメカニズムをマンガで表現する本書は、学界の権威と青年医師による、たぐいまれな入門書。分子の暴走による病気のしくみと治療法までを説く。

定価950円(税別)
78頁
A5版
1999.4. 初版発行
ISBN4-88679-068-2

生命・免疫・分子生物学

臨床哲学
養老孟司 著

哲学とは脳の中の記号運動で、ほとんど病気だ。これを考えることを臨床哲学といい、 哲学の具体的応用であると同時に、哲学者の臨床分析となる。意識を判然と意識化した デカルトは皮質連合野で考えてはいたが、直観の明証性ではなく逐次的論理を生む聴覚 をきらった。こうして、存在、美、神、抽象など、哲学の中心が次々と脳内過程に対応 させられていく。

定価2,400円(税別)
349頁
四六版
1997.4. 初版発行
ISBN4-88679-063-1

叢書[能動知性]1−生の場
破傷風菌論
北里柴三郎中村桂子 著

パストゥールとコッホと北里は細菌の狩人の時代をひらいて、病原細菌を次々に発見、感染症に対する血清療法を確立し、現代免疫学の端緒をひらく。その場としての細胞に生物学の関心が集中する。そして人類は感染症にうち勝ったかに見えた。ところが結核菌やO-157などが逆襲を始めた。中村桂子の生命誌と北里が出逢って、能動知性に向かう生命論を示唆する。

定価2,500円(税別)
288頁
四六版
1999.12. 初版発行
ISBN4-88679-251-0

生命・サイエンス一般・微生物

アルマ・マーラーに恋した生物学者 生命の響き
岡田節人 著

十九世紀末の耽美の都ウイーンに現れた妖精、マーラーの妻アルマのとりこになった芸術の創造的天才の中に、一人の科学者がいた。音楽家から生物学に転じたカンメラーだ。ルイセンコに先だって「獲得形質の遺伝」を証明した彼は学界の寵児となるが……。発生生物学の権威が、細胞の沈黙と音楽の抽象性を結んでかなでる「生命の響き」。美と論理の対位法。

定価2,200円(税別)
190頁
四六版
2000.3. 初版発行
ISBN4-88679-070-4

生命・(発生)生物学・サイエンス一般・音楽

脳と生命と心  第1回養老孟司シンポジウム
養老孟司 編

心の中の表象は、脳のニューロンの活動膜電位に伴って生まれる。これらニューロン間の状態は相対的関係によって決まっており、また相互作用に要する時間は、心理的にはゼロに近い。「夕陽の赤い色」の質感、つまりクオリアもこの原則に基づく心的表象である。脳と神経科学の直面するテーマ群が、個体化の原理や同一性の問題など哲学の中心課題に結ばれる。

定価3,500円(税別)
284頁
A5版
2000.4. 初版発行
ISBN4-88679-071-2

生命・サイエンス一般・脳
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