パリ日記
エルンスト・ユンガー

品切

山本尤[訳]

品切

ナチ占領下のパリにおける日記。将校作家の行動と内面が明らかに。

  • 刊行年月: 2011.6
  • 46判(タテ190mm×ヨコ133mm)フランス装464頁
  • 本体価格3,800円
  • ISBN978-4-901477-84-0

1941~1944年、ナチス占領下のフランスに国防軍将校として配属されていた20世紀ドイツを代表する作家ユンガーが、パリの作家・芸術家たちとの交流、祖国の破滅的な運命に対する省察、ヒトラー暗殺計画グループへの関与など、自らの思索と行動を冷徹につづった日記文学の白眉。

原書: “Das erste Pariser Tagebuch” and “Das zweite Pariser Tagebuch” in “Strahlungen” , 1979(1949), Klett-Cotta.

目次

第一部 一九四一年二月十八日~一九四四年二月十八日
第二部 一九四四年二月二十九日~一九四四年八月十三日

訳者あとがき
索引

紹介記事

  • いしいしんじ氏短評(「フィガロ・ジャポン」2013年8月号 特集「読書の夏です!心ときめく109冊。」「旅に持っていきたい本、旅がしたくなる本。」)
  • 長谷川晴生氏書評(「北海道新聞」2011年10月9日付「ほん」欄「占領下都市 知性の目で」)
  • 初見基氏書評(「読書人」2011年9月23日号「占領軍将校としてパリに滞在した日々を描き出す」)
  • 澤田直氏書評(「図書新聞」2011年9月17日号「希代の作家・思想家が戦争という災厄を前にして展開する人間に関する深い洞察」)
  • 鹿島茂氏書評(「毎日新聞」2011年7月17日付「読書」欄「占領下に交錯する作家の幸福と危惧」)
  • 福田和也氏書評(「週刊新潮」2011年7月21日号「世間の値打ち 第454回」「興味尽きないE・ユンガー『パリ日記』」)

エルンスト・ユンガー(Ernst Jünger)
ドイツの作家。1895年ハイデルベルクに生まれ、1998年リートリンゲンに没す。第一次大戦に少尉として従軍、七度負傷するも生還し受勲。戦後その経験をもとにした作品群を発表し、英雄的リアリズムの旗手と見なされた。その後、民族革命運動に参画、『戦争と戦士』(1930)や『労働者』(1932)などの著書で「第三帝国の案内人」とも言われ、ナチスの主導するアカデミーへ招聘されながらもこれを断る。ナチスとは距離をとり続けたものの、ゲシュタポの家宅捜査を受けたことなどが契機となり、1939年に国防軍へ復帰。1941年2月にパリへの転属を命じられる。参謀本部の幕僚長の後盾により、占領下のパリの参謀本部つきとなる。軍部と党の確執の詳細を記録し、その関係資料を収集する任務を与えられた。『パリ日記』はその当時に執筆されたものである。日本語訳の著書に以下がある。『鋼鉄のあらし』(先進社、1930年)、『東西文明の対決』(筑摩書房、1954年)、『大理石の断崖の上で』(岩波書店、1955年)、『文明について』(新潮社、1955年)、『言葉の秘密』(法政大学出版局、1968年)、『砂時計の書』(人文書院、1978年;講談社学術文庫、1990年)、『小さな狩』(人文書院、1982年)、『ヘリオーポリス』(全二巻、国書刊行会、1985-1986年)、『時代の壁ぎわ』(人文書院、1986年)、『追悼の政治----忘れえぬ人々/総動員/平和』(月曜社、2005年)、『ユンガー=シュミット往復書簡1930-1983』(法政大学出版局、2005年)。

訳者:
山本尤(やまもと・ゆう)
1930年生まれ。専攻:ドイツ現代文学、思想史。京都府立医科大学名誉教授。著書に、『ナチズムと大学----国家権力と学問の自由』(中公新書、1985年)、『近代とドイツ精神』(未知谷、2000年)など。訳書に、『ゴットフリート・ベン著作集 第1巻 文明論・社会批評・自伝』(社会思想社、1972年)、エルンスト・ユンガー『小さな狩----ある昆虫記』(人文書院、1982年)、ヴィクトル・ファリアス『ハイデガーとナチズム』(名古屋大学出版会、1990年)、『ベンヤミン-ショーレム往復書簡1933-1940』(法政大学出版局、1990年)、 ノルベルト・ボルツ『仮象小史----古代からコンピューター時代まで』(法政大学出版局、1999年)、 ノルベルト・ボルツ『カオスとシミュレーション』(法政大学出版局、2000年)、ラファエル・グロス『カール・シュミットとユダヤ人----あるドイツ法学』(法政大学出版局、2002年)、『ユンガー=シュミット往復書簡1930-1983』(法政大学出版局、2005年)ほか。

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