公然たる敵
ジャン・ジュネ

¥5,600 (税別)

アルベール・ディシィ[編]
鵜飼哲・梅木達郎・根岸徹郎・岑村傑[訳]

政治と文学が交錯する地点で生みだされた発言とテクストを集大成。

  • 刊行年月:2011.3
  • 46判(188mm×130mm)上製664頁
  • 本体価格5,600円
  • ISBN978-4-901477-83-3

ジュネ自身が生前に刊行を熱望した政治的テクスト集。
パレスチナ人たちを、移民労働者たちを、アメリカの黒人革命家たちを全身で愛し、ともに闘い続けた作家ジュネが、〈68年5月〉から86年の死までに、政治と文学が交錯する地点で生みだした発言とテクストを集大成。

原書:Jean Genet, “L’ennemi déclaré – textes et entretiens (Œuvres complètes, VI) “, Edition Gallimard, Paris, 1991.

目次

はじめに

「J・G求む、探し求む……」(一九七〇年)
マドレーヌ・ゴベイユとの対話(一九六四年一月)
レーニンの愛人たち(一九六八年五月)
『悪辣な羊飼いたち』(一九六九年三月)
フランス人よ、いま一息だ(一九七〇年二月二十四日)
「自分のことを話すのは慎みがないように思われる……」(一九七〇年三月十日)
アメリカの知識人たちへの手紙(一九七〇年三月十八日)
メーデー・スピーチ(一九七〇年五月一日)
ミシェル・マンソーとの対話(一九七〇年五月十日)
『ソルダッド・ブラザー』への序文(一九七〇年七月)
アンジェラとその兄弟たち(一九七〇年八月三十一日)
アンジェラ・デイヴィスはおまえたちの手中にある(一九七〇年十月十六日)
ジョージ・ジャクソンのために(一九七一年三月)
パレスチナ人たち(一九七一年五月)
赤と黒(一九七一年八月)
殺しのあとで(一九七一年八月)
アメリカは怖れている(一九七一年八月)
『ジョージ・ジャクソンの暗殺』まえがき(一九七一年十一月十日)
グワラニ人とお近づきになられたし(一九七二年六月二日)
誰もけっして語らなかった二、三の本について(一九七四年五月二日)
「最悪が必ず確実である」ときに(一九七四年五月)
ジスカール・デスタンのもとで死ぬこと(一九七四年五月十一日)
ズボンつり姿でも愚かは愚かだ(一九七四年五月二十五日)
ジャバル・フセインの女たち(一九七四年七月一日)
フーベルト・フィヒテとの対話(一九七五年十二月十九~二十一日)
アジュルーンの近くで(一九七〇年十~十一月/一九七七年)
アメリカ黒人の不屈さ(一九七七年四月十六日)
シャルトルの大聖堂《騎乗透視》(一九七七年六月三十日)
暴力と蛮行(一九七七年九月)
タハール・ベン・ジェルーンとの対話(一九七九年十一月)
『カラマーゾフの兄弟』(一九八一年)
アントワーヌ・ブルセイエとの対話(一九八一年夏)
ベルトラン・ポワロ=デルペシュとの対話(一九八二年一月二十五日)
シャティーラの四時間(一九八二年九~十月)
登録番号一一五五(一九八三年三月一日)
リュディガー・ヴィッシェンバルト、ライラ・シャヒード・バラーダとの対話(一九八三年十二月六~七日)
ナイジェル・ウイリアムズとの対話(一九八五年夏)

付録
集まった人々(一九六八年八月)
十万の星への挨拶(一九六八年九月)

解題・注
略年譜

訳者あとがき

紹介記事

  • 新城郁夫氏短評(「みすず」2012年1・2月合併号「2011年読書アンケート」)
  • 「紀伊國屋じんぶん大賞2011——読者がえらぶ人文書ベストブック」第20位(読者推薦コメント:木村洋志さん)
  • 堀千晶氏短評(「週刊読書人」2011年12月16日号「37人へのアンケート 2011年の収穫」)
  • 鈴木創士氏短評(「図書新聞」2011年7月23日号「2011年上半期読書アンケート」)
  • 佐々木敦氏短評(「中日新聞/東京新聞」2011年5月8日付「読書:BOOKナビ 人文・社会」欄「抗う作家」)

ジャン・ジュネ(Jean Genet)
1910年12月19日、パリに生まれる。翌年7月、母によって児童養護施設救済院に遺棄される。幼少期から窃盗を繰り返し、1926年メトレ矯正訓練所に収監される。1929年、18歳で兵役志願、中東、マグレブに駐屯する。1936年、軍隊を脱走し、ヨーロッパを放浪。その後、窃盗などで逮捕、投獄を繰り返す。獄中で『死刑囚』(42年)『花のノートルダム』(43年)『薔薇の奇蹟』(46年)を書き、ジャン・コクトーらから高い評価を得る。1944年、刑務所を出所。1948年、コクトーらの請願によって大統領特赦を得る。『葬儀』(47年)『ブレストのクレル(ブレストの乱暴者)』(47年)『泥棒日記』(48年)、戯曲『女中たち』(47年)『バルコン』(56年)『黒んぼたち』(58年)『屏風』(61年)などを執筆。1960年代後半以降、アメリカのブラックパンサーやパレスチナ解放運動の支援など、政治問題へ積極的に関与する。1986年4月15日にパリで死去。同年5月、遺作『恋する虜』が出版される。

編者:アルベール・ディシィ(Albert Dichy)
1952年生まれ。現代出版記憶研究所(Institut Mémoire de l’Edition contemporaine、略称IMEC) の文学部門主任。現代文学・演劇。著編書に『ジャン・ジュネ、年譜の試み:1910-1944』(Jean Genet, Essai de chronologie - 1910-1944, BLFC de l’Université de Paris VII, 1988)、『『屏風』の闘い』(La bataille des Paravents, IMEC, 1991)、『ジュネ演劇集』(Théâtre complet, Bibliothèque de Pléiade, Gallimard, 2002)、『ジャン・ジュネ、登録番号192・102:1910年から1944年の年譜』(Jean Genet - Matricule 192.102 - Chronique des années 1910-1944, Gallimard, 2010)、『カテブ・ヤシーヌ、記憶の破片』(Kateb Yacine, éclats de mémoire, IMEC, 1998)ほか。

訳者:
鵜飼哲(うかい・さとし)
1955年生まれ。フランス文学・思想。著書に、『抵抗への招待』(みすず書房、1997年)、『償いのアルケオロジー』(河出書房新社、1997年)、『応答する力:来るべき言葉たちへ』(青土社、2003年)、『主権のかなたで』(岩波書店、2008年)。訳書に、ジュネ『恋する虜』(共訳、人文書院、1994年)、同『アルベルト・ジャコメッティのアトリエ』(現代企画室、1999年)、 デリダ『弔鐘』(インスクリプトより刊行予定)、 ホワイト『ジュネ伝』(共訳、河出書房新社、2003年)ほか。
梅木達郎(うめき・たつろう)
1957年生まれ。フランス現代文学・現代思想。著書に、『放浪文学論:ジャン・ジュネの余白に』(東北大学出版会、1997年)、『脱構築と公共性』(松籟社、2002年)、『支配なき公共性:デリダ・灰・複数性』(洛北出版、2005年)、『サルトル:失われた直接性をもとめて』(日本放送出版協会、2006年)。訳書に、ドゥギーほか『崇高とは何か』(法政大学出版局、1999年)、ドゥギー『尽き果てることなきものへ:喪をめぐる省察』(松籟社、2000年)、セリーヌ『ノルマンス:またの日の夢物語II』(国書刊行会、2002年)、デリダ『火ここになき灰』(松籟社、2003年)。2005年死去。
根岸徹郎(ねぎし・てつろう)
1958年生まれ。フランス現代文学・現代演劇。論考に「墓地としての劇場・死者としての登場人物:時間と場所をめぐるジュネのドラマツルギー」、「ジャコメッティのアトリエに座るジュネ」、「古典・実行・舞台芸術:クローデルとジュネをめぐる二冊の本」(『舞台芸術』第14号)など。編書に『日本におけるポール・クローデル』(共編、クレス出版社、2010年)、訳書に、ホワイト『ジュネ伝』(共訳、河出書房新社、2003年)、O.ピィ『若き俳優たちへの書翰』(共訳、れんが書房新社、2010年)など。
岑村傑(みねむら・すぐる)
1967年生まれ。19世紀後半から20世紀前半のフランス文学。著書に、『フランス文学をひらく』(共著、慶應義塾大学出版会、2010年)、『フランス現代作家と絵画』(共編著、水声社、2009年)ほか。訳書に、クルティーヌ編『身体の歴史III』(監訳、藤原書店、2010年)、シュヴァリエ『三面記事の栄光と悲惨』(共訳、白水社、2005年)。

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