シリーズ〈哲学への扉〉

アガンベンの身振り
岡田温司

¥1,500 (税別)

第一人者による〈ホモ・サケル〉シリーズ読解

  • 刊行年月: 2018.06
  • B6判変型並製176頁
  • 本体価格1,500円
  • 18 x 11.4 x 1.2 cm
  • ISBN978-4-86503-058-7

国境を越えて活躍するイタリアの哲学者、ジョルジョ・アガンベンとは何者か。20年にわたる〈ホモ・サケル〉計画が完結し――正確に言えば〈放棄〉され――、近年には初の自伝『書斎の自画像』が出版された。これらを機に、〈ホモ・サケル〉全4巻9分冊とはいったい何だったのかをあらためて振り返り、その他の著作も再読することによって、自伝におけるアガンベンの告白「わたしはエピゴーネンである」の真意を探るとともに、ドイツの哲学者(ハイデガー、ベンヤミン)やフランスの哲学者(フーコー、ドゥルーズ、デリダ)たちとの、屈折した特異な関係にも迫る。新シリーズ〈哲学への扉〉第2弾!

目次

「ホモ・サケル」計画とは何か?
アガンベンはハイデガーをどのように読んでいるのか?
はじめに
1.「現存在」と「声」
2.「芸術作品の根源」と「リズム」
3.「存在の考古学」あるいは「様態論的存在論」
4.人間/動物の彼岸へ――「無為」と「放下」
アガンベンの身振り――ハイデガーとベンヤミンのあいだで
インファンティアと「言語活動の経験/実験」
言語と政治の閾で――1980年代のアガンベン
言語、暴力、共同体――ベンヤミンとハイデガーの出会いとすれ違い
「~でないもののように(ホース・メー)」と「今の時Jetzt-Zeit」
人類学機械とその停止
アガンベンとフランス現代思想
はじめに
「グラマトロジー」批判
「決定不可能性」をめぐって
「潜勢力」と「内在性」
「生政治」と「生権力」
「統治性」と「オイコノミア」
おわりに
「人間とは映画を見に行く動物のことである」――アガンベンと映画
跋文
アガンベンの著作

紹介記事

  • 岡本源太氏書評(「週刊読書人」2018年9月14日号「「エピゴーネンの流儀」とは何か――哲学者の思考に寄り添いながら、ともに思索を紡ぐ」)

岡田温司(おかだ・あつし)
1954年生まれ。京都大学大学院教授。専門は西洋美術史。近年の著書に『アガンベン読解』(平凡社、2011年)、『イタリアン・セオリー』(中公叢書、2014年)、『イメージの根源へ――思考のイメージ論的転回』(人文書院、2014年)、『映画は絵画のように――静止・運動・時間』(岩波書店、2015年)、『天使とは何か――キューピッド、キリスト、悪魔』(中公新書、2016年)、『映画とキリスト』(みすず書房、2017年)など。

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