絶対平面都市
森山大道×鈴木一誌

¥2,750 (税別)

写真家とブックデザイナーの高密度対話

  • 刊行年月: 2016.11
  • 46判並製432頁
  • 本体価格2,750円
  • 19cm
  • ISBN978-4-86503-037-2

写真—書物—印刷の三角地帯に降りたち、〈写真〉の生まれる〈現在〉に肉迫する高密度対話

目次

絶対平面都市 凄みのあるフラットさへ向けて
写真の時代
時間が消える
対話の集積
薄く薄くデザインとの間合い
路上のモノクローム 写すまえに世界はすでに写真で埋まっている
薄さ
自然発生
断片

トレース
ネガ

八月の光
アノニマスへ、アーカイブへ 三〇年後の『北海道』
人の考えたストーリーなんてたいしたことない
世界が自己を超えていること
外す理由がみつからない
歴史のすきま
〈現在〉ってなんだ? 雑誌のしごと
雑誌という舞台
ヨコスカというスタート地点  私小説的なジャーナリズム
通俗への嫌悪と愛着
編集者との邂逅
演歌と描写
「きったねえ写真だな、おまえの写真は」
カメラとレンズ
沸騰する街道
〈現在〉ってなんだ?
日記のように 『記録』をめぐって
写真は記録だよ
日記のように
『記録』復刊
不安とつきあう
自分のルール
『新宿』 コラージュ  吉田昌平
歴史からの光 路上・スナップ・写真集
路上スナップの危機
場所の初源性
捉えがたい現在
時間を止める
既にそこにあるもの
安井仲治=写真のよさ
歴史の光
並べられる写真
写真集という物体
写真、記録、現在
街と人の関係
もうひとつの国をめぐって 『カラー』を中心に
「なにげなさ」と「さりげなさ」
流動するリアリティ
仮面と裏切り
酸鼻としての世の中
記憶の変容
読者という入口
街の下を街が流れる
欠落感をバネにして
視線の海へ 多木浩二と中平卓馬に向けて
カメラと被写体のあいだ
写真という可変的なメディア
蘇生と読み替え
写真は太古からあった
さまよえる精神とさまよえる肉体
〈常態〉にこそ謎が潜む
逸脱としてのボロと屑
写真都市を仮想する
写真はコードのないメッセージか?
現在という崩壊感覚
写真と自然 対話を終えて  鈴木一誌
あとがき  森山大道
引用と参考文献のリスト
索引
初出一覧

紹介記事

  • 土肥寿郎氏書評(『北海道新聞』2017年2月12日付「本の森」欄「写真の本質 対話重ね迫る」)
  • 小原真史氏書評(「週刊読書人」2017年2月10日号「奇妙なダイアローグ 優れた森山大道論であり写真論」)
  • 大竹昭子氏書評(『朝日新聞』2017年1月22日付「読書」欄
  • 上野昂志氏書評(『キネマ旬報』2017年2月上旬号「映画・書評」「急かされ。考えさせられる」)
  • 紹介記事(『アイデア』No.360、2017.1「book」)
  • 神藏美子氏短評(「週刊読書人」2016年12月16日号「2016年の収穫 41人へのアンケート」)
  • 紹介記事(「東奥日報」2016年12月16日付など)

森山大道(もりやま・だいどう)
写真家。1938年生まれ。最近の作品集・著書に、『Osaka』(月曜社、2016年9月)、『NORTHERN』(普及版、図書新聞、2016年3月)、『犬と網タイツ』(月曜社、2015年10月)、写真論・エッセイ集『通過者の視線』(月曜社、2014年10月)など。
最新の動向、および詳細なプロフィールは、公式サイトをご参照ください。
鈴木一誌(すずき・ひとし)
ブックデザイナー。1950年東京都立川市生まれ。東京造形大学を中退後、杉浦康平氏のアシスタントを12年間つとめ、1985年に独立。学生時代に見た鈴木清順監督作品「東京流れ者」に強い影響を受け、時間のドラマをブックデザインで表現できないかと模索する。映画や写真の批評も手がけつつ、2001年よりデザイン批評誌『d/SIGN』を戸田ツトムとともに責任編集(2011年休刊)。著書に『画面の誕生』『ページと力』『重力のデザイン』『「三里塚の夏」を観る』。共著書に『知恵蔵裁判全記録』『映画の呼吸 澤井信一郎の監督作法』『全貌フレデリック・ワイズマン』『1969  新宿西口地下広場』『デザインの種』がある。

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