舞台芸術10

品切

責任編集=太田省吾・鴻英良

特集=教科書問題

  • 刊行年月:2006年6月28日発売
  • A5判並製288頁カバー装
  • 本体価格2,000円
  • ISBN:4-901477-60-9

第一期完結! 反=教科書的装置としての舞台芸術の総括的展望!
近年になって、にわかに舞台芸術が公教育の中に組み込まれるような動きがみられる。そこで実践的教育に携わるのは1968年世代(=アングラ)以降のアーティストたち。彼らの多くは「教科書」的なメソッドを否定し、あるいは公教育に対して懐疑的な活動を行ったものたちだった。その彼らがいま教壇にたち、なにを語ることができるのか? その困難な問いこそが、この特集の出発点である。
日本では明治以来、近代化の過程で演劇は国家にとって危険なものだと見なされたがゆえに「美術」や「音楽」とは違い教育から排除されてきた。しかしその一方で、舞台芸術の基礎となるべき身体や言語に関する考察は、軍事的な身体の規律・訓練、国家による国語教育の問題などに取り込まれてきた。
こうした歴史を参照するとき、舞台芸術における公教育の構築はいかに可能なのか? さらに、現代社会において「身体知」や「公共性」を回復するための新たな教育モデル、教育メディアとしての役割が期待されるとき、舞台芸術の側ではいかに応答すべきなのか? 本特集では、日本近代化の過程における諸問題と舞台芸術の公教育の関係を検証しつつ、「反教科書」的教育装置としての舞台芸術の可能性を問う。

目次

「教科書問題」自問自答 太田省吾
反教科書的思考へ向けて 鴻英良

■特集=教科書問題■
二〇世紀の終わりを前にして:第十二回ミラノ講義 タデウシュ・カントル 訳=工藤幸雄、解題=鴻英良
現代芸術と記憶の伝達:アヴァンギャルドのアポリア 塚原史
非/知 Non/Savoir S/N 田崎英明
教室の舞台:教科書のある場所 李静和
共同討議
教科書への問い、あるいは日本/近代/演劇のアポリア
スガ秀実+熊倉敬聡+内野儀+鴻英良+八角聡仁
弔いの政治:反=教科書的教育装置としての『アンティゴネー』 守中高明
ベケット:『カタストロフィ』をめぐる断章 田尻芳樹
無調アンサンブルの思考――「演劇と帝国主義」論のための覚え書き 鴻英良
覆されるべき規範:ふたたびテクストとかなにかをめぐる走り書き三節 佐伯隆幸
ルネ・ポレシュとポストドラマ演劇 新野守広
せぬがところ 宮沢章夫
グローバリズム下の『4:48 サイコシス』 阿部初美
抜かなかった棘:大学でのダンスの場所から 山田せつ子
対談 演劇教育とフィクション:「教科書」にはどんな観点が必要か? 渡邊守章×太田省吾
■時 評■
対談 思考する身体/運動する思考 内野儀×桜井圭介
〈学芸会〉からの逃走、あるいは閉所に穴を穿ちつづけること 内野儀
私家版「日本(コンテンポラリー)ダンス史(素描)」 桜井圭介
時評の時評 小林昌廣
■連 載■
やさしい現代演劇 10 最終章・旅の終わりにカルバドスを 川村毅
過渡期としての舞台空間 8 小劇場演劇における〈昭和三〇年代〉 森山直人
ブレヒトと方法 7 フレドリック・ジェイムソン 訳=大橋洋一+河野真太郎+小澤英実+大貫隆史
『舞台芸術』第一期終了にあたって 八角聡仁
第一期総目次

舞台芸術研究センターとは
京都造形芸術大学(学校法人瓜生山学園)が2001年4月に開設した舞台芸術研究センターは、 舞台芸術の全創造過程を研究対象として、乖離しがちであった創造の現場と学術研究とのより有機的な結びつきを推進しています 。京都芸術劇場(「春秋座」「studio 21」)という学内劇場を活用することで、この関係が当センター独自のものとして確立され ることとなります。また、映像・舞台芸術学科を中心とした学内研究員による上演実験とその研究活動のみならず、学外の研究員や 国内外の研究機関との共同研究など、過去にない新たな舞台芸術研究のネットワークづくりを目指します。現在の日本の舞台芸術、 文化情況が狭窄的ではないかという共通理解のもと、それを解放するための多様な試みとしての『舞台芸術』を年3回刊行します。
http://www.k-pac.org 住所:〒606-8271 京都市左京区北白川瓜生山2-116
TEL:075-791-9437 (舞台芸術研究センター事務所)

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