哲学書房 出版目録
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哲学書房について出版目録文学

『シラーの「非」劇
         ――アナロギアのアポリアと認識論的切断

青木敦子 著

 悪の輝きへの憧れは頂点を極める刹那に破綻し、悲劇と喜劇の「混合」の場では悲劇的運命さえも滑稽さを纏い、「世界大劇場」の舞台では時空さえ反転する。後期シラーの崇高な英雄の世界に対して、前期のこの混乱と矛盾は何ゆえか。ここにある認識論的切断がカント体験によってもたらされる現場を描出する著者の力業が、前期シラーの悲劇の構造を明らめる。

定価5,670円(本体5,400円+税5%)
A5版・上製
ISBN4-88679-513-7-C1010
 

神の模写から
自律する主体への
構造変動を
解析しつくした

本書は
21世紀思想の
デュナミスの
場だ

目次
序論
 
 
本論
 
序章
 認識論的切断
第1章
 世界の模写と不完全な悪
第2章
 反復と眼差し
第3章
 ゴシック的混合と市民悲劇
第4章
 「全体的なタブロ」の破綻と開かれる「世界大劇場」
結論
 
 
 参照文献
 あとがき
著者について
青木敦子

1957年熊本県に生まれる。東京外国語大学ドイツ語学科卒業。マレーシアのマラヤ大学に勤務の後、学習院大学博士課程を修了。主な論文に「シラーにおける美的表象の可能性」(「美学」、美学会、1995)、Die Sturktur der doppelten Wiederholung in Schillers Fiesco. (Zeitschrift fur Literaturwissenschaft und Linguistik, Metzler,2001) などがある。現在は学習院大学、明治大学でドイツ語および18世紀ヨーロッパ思想を講じている。

著者のことば

「カントという装置」がシラーにおいていかに働いたか。2005年は没後200年、批評理論の流行に抗して、あえて「新しいシラー像」の彫塑に挑みました。

編集者より

文学に関する新しい理論の可能性を拓くばかりでなく、もろもろの思想の化学反応の場を形成する、力作です。

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