「性の始まりは飢えだと最初から意表をつく。…遺伝子の解析が生物学の主流を占め、性の意味も遺伝子の多様化とされる中で、細胞が生きることのための工夫として全ての現象を見る、つまり複雑さそのものを見る視点を貫いている。そこで、有性生殖は、細胞が生きるための遺伝子の若返りと修復のためさ、という性のお話になる。」
(中村桂子・05・02・20付「毎日新聞」書評より) ::: 「書名や穏やかな語り口の文章に、手軽な解説書かと先入観を持ってはいけない。遺伝子が生命の主役であるかのような昨今の生物学の潮流に対し、細胞を主役の30年以上の研究を続けた団まりなさんは、性の始まりから生物の複雑さへと説き進め、皮相な誤解を正す。知的刺激に満ちた読み応えのある本だ。」
(05・03・06付「朝日新聞」「著者に会いたい」より) :::
「この仕組みは20億年前、生存に危機にさらされた真核細胞が起こした“奇跡”に由来するという。自分の存在が少し誇らしくなってくる。」
(05・03・13付「読売新聞」書評より) :::
「本書を読むと、遺伝子がすべてを決定しているかのような表現がいかに奇妙かがよくわかる。平易な語り口で書かれており、高校生の読者にもおすすめ。」
(「日経サイエンス」05年4月号「新刊ガイド」より) |