哲学書房 出版目録
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哲学書房について出版目録哲学文庫

『脳の中の過程――解剖の眼
  (哲学文庫biblioteca philosophica8)

養老孟司 著

 養老孟司退官後、東京大学医学部から「解剖学」が消えた。アリストテレスからレオナルドやヴェサリウスを経て現代に至る2千年の解剖学の歴史の最後を見届けて養老孟司は脳科学に向う。なぜか? 本書は養老孟司の脳内の事件を証言し、国民的思想家誕生の秘密を明かす。鋭く強靭な思考、無辺の学殖、豊かな言語感覚に織り上げられて、解剖学の終りが煌く。

定価1,995円
(本体1,900円+税5%)
293頁 B6変型
ISBN4-88679-103-4 C1040
 

解剖学は、
その歴史の終わりに、
大きく花開いた。

そんな解剖学の凄みが、
この本には
散りばめられている。

脳の生理学、
解剖学の本来の意図は、
人文諸科学の意図に等しい。

目次
神経
脳の法則性と「真実」
ヒトの精神活動の博物学
    脳の中の過程
    文字はどこにあるか
解剖   誰が解剖を始めたか
    私の解剖学事始め
    眼を創る
    誤解の解剖学
時間   ゲーテ『ファウスト』の今日の意味
    モンテーニュと横井正一の「孤独」
博物   ユニコーンの角
    動物伝説
    知と性の毛だまり
    ウオノメの話
綺想   十で変人
    図書館を書庫と割り切って
    読書中毒
    哲学と理解――馬鹿の壁
    剽窃と現場
発生   発生における時間のずれと進化
    咀嚼器の進化と感覚器
あとがき
最後の解剖学者[哲学文庫版]解説…布施英利
     
著者について
養老孟司

1937年鎌倉に生まれる。東京大学医学部を卒業の後、同大学医学部解剖学教授を務め、95年に退官。同大学名誉教授。比較解剖学、脳科学、人間学から、科学の哲学、文学までを覆う思惟がおのずから形を成した著書の数は無慮百数十に及ぶ。

著者のことば

養老孟司といえば「脳の人」である。しかし実際は、養老先生の考えは反=脳である。……「脳より大切なものがある」と書かれているのが分かる。その大切なものとは、身体とか自然である。

編集者より

しばらく品切れでしたが、哲学文庫版が出来ました。『バカの壁』や『死の壁』としてその一部が噴出する、養老孟司の思考のマグマの全体を計測できる書物です。

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