『れんげ草だより――八ヶ岳の暮らしと子育て記』
日達れんげ 著
「いのち」が「いんげん」や「にわとり」や「僕」に生成する瞬間の輝きをとらえ、八ヶ岳の自然と人々のハビトゥスが溶け合う様が描かれ、そこに諏訪の神話の古層が露頭したりもする。海外で評価の高い女性作家の初の「きりえ作品集」。永遠に属す「線」は瞬間の表象である陰影までも内包し、エイコン、ファンタスマ論を呑む表現の可能性を拓く。
作家・立松和平氏、激賞! 「作者はまるで、 暮らしの 錬金術師のようです。」 ヴェネチア美の創生賞 など海外での 受賞暦豊かな作家の みずみずしい作品集 プラトンの 課題に応えて 「線」の表象可能性を 拓く
1963年、長野県岡谷市に生まれる。82年、きりえと出会う。結婚して四人の子どもにめぐまれ、86年から南信日々新聞、長野日報などに、くらしと子育てと民俗を主題とするきりえ作品の連載を始める。2000年にはアメリカ、ミシガン州で展覧会と「きりえ教室」をひらくなど海外に活動の場を広げる。02年には「王宮美学復古再生賞」(オーストリア)、「東洋現代美術賞」(ハンガリー)、「ヴェネチア美の創生賞」などを受賞し、評価はゆるぎないものとなる。
これは、いつも心穏やかであれ、という課題と向き合った日々の記録です。穏やかでない心は、指先を通じて、作品に表れてしまうのです。
きりえ作品集は、書肆として初の試みです。線と表象をめぐって、ギリシア(プラトンのテーマ)、中世絵画、影絵の展開など、さまざまな問題系が浮かんで、興味はつきません。
Copyright (C) TETSUGAKUSHOBO Co.,Ltd. All rights reserved.