哲学書房 出版目録
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哲学書房について出版目録 哲学

『モデルニテ・バロック――現代精神史序章

坂部恵 著

 世界を生成することばの形而上学を継ぐバロックは、一つの時代の終りに立ち会う者の生と思考のスタイルとして、モデルニテと通低する。モデルニテとは時間と時間を越えたものとの総合だ。世界は今モデルネの喪の中にある。エリウゲナなどヨーロッパ霊性と、ヒンズー的想像力の嫡子である空海を結ぶ霊感の源から、新たな歴史の次元を組み上げる。

定価2,730円(本体2,600円+税5%)
四六版・上製
ISBN4-88679-087-9-C1010
 

露頭する
バロック哲学の
掘削の記録

千年単位の
歴史の展望

スピリチュアル・ヒストリー
の奔流に汲む
今、最もアクチュアルな
哲学的思惟

目次
序章 レアリストの語法
神童論または「モーツァルトの名前」
    
第T章 バロックの響鳴
バロックの復権は哲学史をどう書きかえるか
日本のモデルニテ
和辻哲郎とヘルダー
モデルネの移入から見たカント
第 II 章 危機の来歴
意味と無意味
戦乱・革命と遠い記憶、火山の上の祝祭
哲学の終焉か、哲学の新生か
生と死のあわい
第 III 章 モデルニテの行方
シェリングと岡倉天心
西洋経験としての「自由」
日本哲学の可能性
   
あとがき
著者について
坂部恵

1936年神奈川県に生まれる。東京大学大学院哲学科を修了。東京大学教授をへて、現在は東京大学名誉教授。詩神の寵愛のもと、鋭い思考とブリリアントな文体をもって、たぐいまれな哲学的思惟をくりひろげる。70年代の『仮面の解釈学』、『理性の不安』から97年の『ヨーロッパ精神史入門――カロリング・ルネサンスの残光』までおおくの著書がある。共著、編訳書もおおい。

著者のことば

これは、わたくし自身の、ただいまの態度表明のつもりです。

編集者より

バロック的モデルニテという視点から、「ポストモダン」などという流行語を粉々にする、精神史の射程をさししめして、坂部哲学の新しい展開が始まります。

編集者より

「…モデルニテの成熟をすくいあげようとする、大胆な姿勢が明らかだろう。…新しい見取り図を描くことで、哲学史の全体を貫く地下水脈を掘りだしている。」(「読売新聞」05年6月12日)

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