哲学書房 出版目録
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哲学書房について出版目録 哲学

『肉中の哲学
    ――肉体を具有したマインドが西洋の思考に挑戦する

G・レイコフ、M・ジョンソン 著 計見一雄 訳

 意識には到達できないニューラルな過程に分け入って、概念や推論の構造を明らかにし、メタファーが脳内に実体化される機序を解く。これら身体化された経験がマインドと身体を分離させるのだ。この分離の上に全哲学は展開される。それにもかかわらず肉に埋め込まれたマインドは「世界の肉」から分離できない。ポストモダン哲学以降の新しい哲学が始まる。

定価6,930円
(本体6,600円+税5%)
701頁 A5版
ISBN4-88679-086-0 C1010
 

哲学的動物たる
ヒトのための
最深層の資源、
それが本書です

人間の本性の
新しい理解

「汝自身を知れ」
への、これは、
脳科学からの回答です


目次
謝辞
参照文献に関する注記
第 I 部 身体化されたマインドはいかなる風に西洋哲学の伝統に挑戦するか
第一章   我々は何者であるか
第二章   認知的無意識
第三章   身体化されたマインド
第四章   プライマリー・メタファーと主観的体験
第五章   複合メタファーの解剖学
第六章   身体化されたリアリズム:認知科学 対 先験哲学
第七章   リアリズムと真理
第八章   メタファーと真理
第 II 部 基本的な哲学的アイデアの認知科学
第九章   哲学的アイデアに関する認知科学
第十章   時間
第十一章  出来事と原因
第十二章  マインド
第十三章  自己
第十四章  道徳性
第 III 部 哲学の認知科学
第十五章  哲学の認知科学
第十六章  ソクラテス以前:早期ギリシア形而上学の認知科学
第十七章  プラトン
第十八章  アリストテレス
第十九章  デカルトと啓蒙期のマインド
第二十章  カントの道徳性
第二十一章 分析哲学
第二十二章 チョムスキーの哲学と認知言語学
第二十三章 合理的行動理論
第二十四章 哲学理論はいかにはたらくか
第 IV部 身体化された哲学
第二十五章 肉中の哲学
付録 言語パラダイムに関するニューラル理論
参照文献
索引
訳者あとがき
著者について
George LAKOFF(ジョージ・レイコフ)

カリフォルニア大学バークレイ校の言語学教授。チョムスキーと袂をわかって認知意味論を拓いた言語学者だが、メルロ=ポンティの引力圏で哲学に接近。著書は多く、邦訳されているものに『認知意味論』(紀伊国屋書店)『レトリックと人生』(大修館書店)などがある。

Mark JOHNSON(マーク・ジョンソン)

オレゴン大学教授、哲学部長。著書にThe Body in the Mind and Moral Imaginationなどがあるほか、レイコフとの共著『レトリックと人生』(大修館書店)などがある。Philosophical Perspective on Metaphorsの編者でもある。

著者のことば

計見一雄(けんみ かずお)

1939年東京に生まれる。千葉大学医学部卒業。精神医学に「精神科救急医療」の領域を開いて実践し、医療に携わっている。千葉県精神科医療センター長。著書は『脳と人間』(三五館)ほか数多い。

著者のことば

精神生理学を作り直さないと、もう間に合わない。その基盤整理にこの本は大いに役立つ。

編集者より

ニューラルなプロセスに関するデータが活きがよく、「メタファー生成」の解明もリアル。分析哲学とポストモダン哲学を覆すところは痛快。本書の先、ここからが哲学の正念場。希望が見えてきました。

編集者より

<観念の袋小路に入った哲学を「人間はお肉だよ」という生々しさのなかで作なおそうとするとき、まず最初に読むべき本である。>(04年11月21日付「信濃毎日新聞」ほか)

「(1) 心は本来、身体化されている、(2) 思考はたいてい無意識のものである、(3) 抽象的概念は大幅にメタファー的なものである、この三つのポイントを、本書は現代認知科学の成果によって論証しようと試みる。……新たな哲学の地平を切り開こうとする著者たちの論考は綿密で、”知的格闘技”ファンなら興味深く読めるだろう」(野村進・04年11月14日付け「朝日新聞」書評より)

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