『脳と心の調和に向って――新しい精神医療と福祉』
浅井邦彦 著
分裂病(統合失調症)は、人格崩壊のプロセスをたどらない! つまり慢性進行性の病気ではないのだ。精神病概念の大転換が医療の新しい展開をうながしている。病院から院外のさまざまな施設へ、そしてコミュニティーケアへ。研究者にして実践家(病院長)である著者によって、mindlessの精神医学とbrainlessの精神医学を超える途がさし示される。
心の健康と 心のケアのために * フロイトとブロイラー の世紀は終わった
1940年千葉県に生まれる。66年東京医科歯科大学医学部卒業、67年同大学神経精神医学教室に入局。この年から浅井病院に勤務、92年浅井病院院長となる。日本精神病院協会常務理事、日本社会精神医学会常任理事など日本の精神医学・医療において指導的役割を果たすばかりでなく、世界精神保健連盟名誉幹事など国際的な活動を行っている。また『分裂病の病院リハビリテーション』『精神科デイケア』など多くの著書がある。
精神病をどう考えるべきか、わが国で独自に発展した「デイホスピタルとナイトホスピタル」などを取り入れながら開放的精神医療と社会復帰の問題をどう進めていくか、など、現状と未来を論じました。
文化科学に重心をおいて、ラカン以降の様相などを気にしている間に、精神医学・医療の現場はおおきく神経科学・脳の科学に向い、そこから「心」をつかみなおしていました。ほとんどカルチャーショックの中で編集しました。
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