岡倉天心
1862(文久2)年横浜に生まれる。幼名「角蔵」、号の「天心」は心臓のあたりにあらわれた脂肪の模様が「天」の字に似ていたから、と冗談めかして語ったという。14歳で東京大学第1期生、のち文部省に入り、東京美術学校(のちの芸大)を作り、「国宝」の制を敷くなど、文化としての<和>を創出。思念のスケールは巨大で『東洋の理想』『日本の覚醒』(いずれも原語は英文)などたぐいまれな哲学書を著す。
黒崎政男
1954年仙台に生まれる。東京大学哲学科を卒業、同大学院を修了して現在は東京女子大学教授。カントを専門とするが、人工知能、電子メディア、カオスなど、ひとが今日出会っている問題系の最深部をえぐって思索する。骨董から、カメラ、ワインまでをたしなむやわらかい知性をもって、哲学にあらたな生を与えつつある。『カント『純粋理性批判』入門』『カオスの暗礁めぐる哲学の魚』など著書多数。
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