哲学書房 出版目録
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哲学書房について出版目録哲学文庫

叢書=生命の哲学 3

『生成する生命 生命理論T

郡司ペギオー幸夫 著

 自己言及を構成する部分と、全体と、そしてフレーム問題が示唆する世界性、の三項関係を認めること。しかし、生成を解読するためには、二項関係と媒介者、の形式を採用しなければならない。ドゥルーズを手がかりに進められる生成の解読における新たな展回とは、計算、モデル、実験つまり科学装置の相対化を内包した科学装置、の提案に他ならない。
定価1,900円(税別)
B6版 265頁
2002.8.10. 初版発行
ISBN4-88679-080-1
 

生きて死ぬ
ということ
から
出発する

天才! 理論生命科学者の処女単行本、ついに成る。

自己言及問題と
フレーム問題を接続する

はじめに
IIII 超越的全体に抗して
IIII 存在論=方法論に向けての素描
IIII 時間:現在・過去・未来
IVI 時間に定位した頑健性・創発性
おわりに、または第二部にへ向けて
あとがき
appendix(檜垣立哉との対話)
生きていることをどう理解するか

目次

 
はじめに
I 超越的全体に抗して
 1 システム論的虚点
 2 一義性・全体性
 3 生成の三つの様相
 4 個物・複数性としての他者
II 存在論=方法論に向けての素描
 1 哲学・科学・芸術という装置
 2 媒介者・第三項
 3 諸装置の接合面
 4 記号論的三項関係
III 時間:現在・過去・未来
 1 存在態としての反復
 2 現在:第一の時間的再考
 3 過去:第二の時間的再考
 4 未来:第三の時間的再考
IV 時間に定位した頑健性・創発性
 1「計算過程」における現在
 2「照明過程」としての過去
 3 前提と帰結の共立が媒介する未来
おわりに、または第二部にへ向けて
あとがき
(appendix)
生きていることをどう理解するか 郡司ペギオー幸夫+檜垣立哉

 
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著者について
郡司ペギオー幸夫

1959年に生まれる。東北大学理学部を卒業して、同大学院理学研究科博士課程修了。87年神戸大学助手となる。助教授を経て99年神戸大学理学部惑星科および自然科学研究科情報メディア科学教授。専攻は理論生命科学。本書に続いて『原生計算ーー認識論的観測から存在論的観測へ』(東京大学出版会)が刊行予定。

著者のことば

日常生活でも、ものすごく悲観的でありながら、底が抜けて楽観的と言われます。世界に生きるってのは、淡々と行きながらも、嬉しいときと悲しいときがある。ただそれだけですね。(「あとがき」より)

編集者より

「パイデイア」「現代思想」「エピステーメー」「季刊哲学」・・・と雑誌や書物の編集に30年以上携わって、数え切れない「才能」に出会ってきましたが、郡司幸夫は、まぎれもなく「天才」です。

編集者より

・ ・・その計算には必ず哲学も科学も動員され「生きているとはどういうことか」考える身振りが伴うことになるだろう。郡司氏は、このような意味で読むに価する真摯な生命論者である。(「文芸」2002年冬)

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