戦争の教室
松本彩子

¥1,800 (税別)

日本人は「戦争」をどう記憶していくのだろうか。
さまざまな世代80人の、戦争との向きあい方

  • 刊行年月: 2014.07
  • 46判並製496頁
  • 本体価格1,800円
  • 18.8 x 2 x 12.8 cm
  • ISBN978-4-86503-016-7
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祖母たちの「戦後」、孫たちの「戦前」、戦争を取材した人、震災に戦争を重ね合わせた人、戦争を知らない子供たちの子供たち世代など、それぞれの語りとイメージで綴る80名の「戦争の教室」。

目次

1900年代生
丸木位里 丸木俊  大逆事件
金順徳  咲ききれなかった花 たね供出

1930年代生
奥村まこと  戦争と建築
澤地久枝  七十年前 私は軍国少女だった
中村尚司  戦争と平和は双子の兄弟姉妹 暴力と差別に対抗できるのは対等な交換と交流

1940年代生
浅葉克己  ひとりピンポン外交
坂崎重盛  兄・幸太郎さんの残した一冊の本
竹内洋  「戦争未亡人」とその子どもたち
佐野眞一  現代の光を過去にあて、過去の光で現代を見る
山崎行太郎  三島由紀夫のパラドックス 特攻隊コンプレックスと市ヶ谷駐屯地自決事件
岩永文夫  パンパン考
植松憲一  『難民』、祖国を喪うひとびと アフリカからの報告
鈴木雅子  ブルーコリドー(青い回廊)へ
廣橋隆  靖国神社問題を基本に返って考える

1950年代生
菊地和男  食 香港・台湾
眞弓準  戦争が家族に遺した足痕
西城鉄男  静かなる暁  紅飈
高取英  明治維新と戦争
佐藤文則  ハイチ 「追憶」という名の村スヴェナンス
新谷雅樹  むしろ太平の犬となるも乱離の人となるなかれ
永田浩三  公共放送の役割を果たせ! NHK
宮沢啓 高橋卓也  映画で学ぶ戦争と平和
大西督人  戦争=NO、農=YES 戦争を知らない己たちへ
高橋智  戦争と書物
秋山真志  落語界が自らを封じ込めた「禁演落語」の愚の骨頂
大友洋樹  ジミヘンの旅笠道中
松永美穂  亡命シミュレーション
会川晴之  アンジェイ・ワイダ監督が語る  戦争と平和
田中久生  出塵
矢野宏  大阪空襲訴訟と戦争
安井寿磨子  赤い実・ゆれる  空白
渡瀬夏彦  沖縄に暮らせば、死者たちの声が聴こえる。 極私的沖縄戦追体験記

1960年代生
中野ジロー  子を守る戦い
渡部潤一  宇宙から考える人類
佐藤哲郎  靖国 小唄の師匠と中国人青年
伊勢幸祐  荷風日記の中の戦争
藤原章生  戦場報道のマッチョとうつ
山口貴志  略奪される死 人間の資源化
山科武司  憎しみの連鎖
植田山月  ヨコハマ 異邦人からの違和感 評・渡辺久浩
渡辺久浩   きれいな空 人形作家・市橋とし子
普久原均  沖縄の戦前・戦中・戦後
浅生ハルミン  荷風さんいえやけた・これあげる
李台  初心者ヘアドレッサーの戦争
臺宏士  大陸からの写真 日中戦争・一九三八年
横田信行  ダムと核
樽谷哲也  貰い水
久田将義   父と俳句と戦争
山本美香 佐藤和孝  戦争を取材する
籾山昌夫  『平民新聞』で注目された ロシアの文豪トルストイと画家ヴェレシチャーギン
鵜塚健  「悪の枢軸」イランで考えた平和

1970年代生
磯田道史  顔がみえるということ
伊藤範  家族 東北にて
清水友顕   ジャケットとコートを脱ぎ捨てよ!
土屋ゆふ  老翁の愚痴
安世鴻  重重
広中岳志  二〇一一春 ある日の福島
丘山源  厚生省創設と「健康ファシズム」 戦争と健康
田内万里夫  マリオ曼荼羅 調和の図
岡美里  戦争と終戦
水野誠人  「平時」の日本一周&お雑煮調査と「戦時」の東日本大震災ボランティア
赤木智弘  「平和」とは、だれにとっての春なのか?
岩根愛  未来
加藤由樹  インターネット コミュニケーションのひろがりと壁
河田真矢  酒と平和
柿本礼子  おかあさん
せきたさらい  ハーモニカ吹きの戦争
佐藤奈穂子  「戦争」の2文字が思い浮かぶ 旧作日本映画四十番勝負
小川裕夫  兵商二途から平商二途へ  戦争と平和の間で揺れた鉄道
坂本頼光  名弁士達の震災体験。そして今

1980ー1990年代生
吉田邦吉  戦争と人間と
岸川俊太郎  永井荷風の抵抗 「花火」をめぐって
加藤美穂子  平凡さの中の幸福
神足祐太郎  私の知らない戦争 祖母と父の間に
山崎曜子  結婚と平和について私が考えたこと 「普通」をきちんと紡ぎたい
根本綾香  女子旅
程思睿  ある「90後」の[戦争と平和]
*生年順

臺宏士  おわりに

紹介記事

  • 執筆者[澤地久枝×永田浩三×臺宏士×山崎曜子]座談会(「週刊読書人」2014年8月29日号「語り継ぐ戦争、受け継ぐ記憶」)
  • 紹介記事(共同通信配信、2014年8月15日「戦争再考本――消える原体験 学びに道:重い記憶刻み、受け継ぐ」)
  • 紹介記事(毎日小学生新聞「15歳のニュース」2014年8月2日付「この夏は「戦争の教室」で話し合おう」)

松本彩子(まつもと・さいこ)
一九七〇年群馬生まれ。編集者。東京・神保町にあった呑み屋のおっかぁ。共著に『ちょっと長い関係のブルース 君は浅川マキを聴いたか』(有楽出版社、2011年)、『江戸東京 味の散歩道』(山川出版社、2011年)。

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