舞台芸術03

¥2,000 (税別)

責任編集=太田省吾・鴻英良

特集=複数のアジアへ

  • 刊行年月:2003年4月16日発売
  • A5判(タテ209×ヨコ148×ツカ15)並製336頁カバー装
  • 本体価格2,000円
  • ISBN:4-901477-53-6
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オリエンタリズムを乗り越え、複数の「アジア」による反帝国的対抗運動を透視する
いま、舞台芸術にできることは何か?われわれはここで、ポストコロニアルな状況を直視しつつ、「帝国」に対抗する複数の主体としての「アジア」について検証する。それはいつでも権力が周到に構築した政治的な地政学を転覆しようとする。不確かさを身に纏いつつ……。「アジア」とはいったいどこを、そして誰のことを指しているのか?

目次

思考停止点としてのナチュラルなもの 太田省吾
無知からの出発—-現代アジア演劇への視座  鴻英良

黒テントの「アジア」—-二十年の軌跡 佐藤信 インタヴュー 聞き手=鴻英良
批評・文化・パフォーマンス  エドワード・サイード インタヴュー
聞き手=ボニー・マランカ/マーク・ロビンソン/ウナ・チャウドリ? 訳=中野真紀子
渾沌とした美の召集—-アジア・ミーツ・アジア演劇祭の経験  K・C・ロク 訳=花崎攝
共同討議 移動するアジア—-実験的現代性とはなにか
鵜飼哲/内野儀/畠由紀/K・Cロク/八角聡仁/鴻英良
ピーター・ブルックの『マハーバーラタ』—-インドからの眺め
ルストム・バルーチャ 訳・解題=エグリントン佐藤みか
浮遊する言葉、ゆらぐ主体……  アヌラダ・カプール  訳=前田愛実
現代中国演劇の世界的文脈—-その含蓄的絡み合いについて  伊藤貴之
太陽劇団とアジア伝統演劇  荻野哲矢
ブレヒトのアジア—-そのトポロジーの変容  荻原健
カテブのテープ、サルトルのカバン—-カテブ・ヤシンの演劇について 横山義志
アメリカ舞台芸術における「アジア」という架空の主体をめぐって  戸谷陽子
アジア女性演出家の表現とは—-アジア女性演出家演劇祭/第四回アジア女性演劇会議報告  外岡尚美
フィジカルシアターをめぐって—-わからないアジア  木村真悟
身体言語としての演劇と舞踊  安致雲 訳=木村典子
新しい波—-今日のシンガポール演劇 オン・ケンセン 訳=角田美知代/劇団黒テント(桐谷夏子+南俊明)
シンポジウム 現代インド演劇という場所 (ロケーション)—-『キッチン・カタ』を再検討する
粟屋利江/内野儀/森山直人/鴻英良
■時 評 ■
芸術に留まる、芸術に閉じこもる 内野儀
メタファーと廃点—-笠井叡の舞台より  國吉和子
歌舞伎四百年に思う  小林昌廣
■連 載 ■ 観世榮夫 わが演劇、わが闘争3 インタヴュー   聞き手=林光
過渡期としての舞台空間—-小劇場演劇における「昭和三〇年代」2 森山直人
やさしい現代演劇3 川村毅
Mustering Up for Chaotic Beauty:An Experience of Organizing the Asia Meets Asia Theatre Festival  K.C.Lok

舞台芸術研究センターとは
京都造形芸術大学(学校法人瓜生山学園)が2001年4月に開設した舞台芸術研究センターは、 舞台芸術の全創造過程を研究対象として、乖離しがちであった創造の現場と学術研究とのより有機的な結びつきを推進しています 。京都芸術劇場(「春秋座」「studio 21」)という学内劇場を活用することで、この関係が当センター独自のものとして確立され ることとなります。また、映像・舞台芸術学科を中心とした学内研究員による上演実験とその研究活動のみならず、学外の研究員や 国内外の研究機関との共同研究など、過去にない新たな舞台芸術研究のネットワークづくりを目指します。現在の日本の舞台芸術、 文化情況が狭窄的ではないかという共通理解のもと、それを解放するための多様な試みとしての『舞台芸術』を年3回刊行します。
http://www.k-pac.org 住所:〒606-8271 京都市左京区北白川瓜生山2-116
TEL:075-791-9437 (舞台芸術研究センター事務所)

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