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具体的なものへ 二十世紀哲学史試論
ジャン・ヴァール=著
水野浩二=訳

ジャンル :人文・哲学思想
刊行年月: 2010.3
A5判上製352頁
本体価格3,800円
ISBN978-4-901477-73-4

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ジェイムズ、ホワイトヘッド、マルセル……20世紀前半の西洋哲学に大きな足跡を刻んだ三者を論じ、知の現代が〈具体的なものへ〉向かう思考の運動としてはじまったことを明らかにした古典的名著。ヴァールの著作の訳書としては実に33年ぶりとなる。
シリーズ「古典転生」第3回配本。

「ジャン・ヴァールの著書の名『具体的なものへ』は、ここ最近50年の哲学の動きを十二分に言い表している。体系や理論より前に、経験そのものを拡大することが求められるのである。今世紀のはじめ以来、概念的なものを退けて、感じられるものの権利を回復しようとする弁証法的運動、あるいは少なくとも反対運動が、認められる。19世紀にあれほど大きな威信を享受していた認識論は、その本来の地位に、すなわち二次的な地位に戻る。意識という観念そのものが問題とされる。あるいは少なくとも、個人をそれ自身の主観性に閉じ込めるかわりに、意識はしばしば、ある状況のなかに他人と居合わせることといったものになる。哲学体系という概念が評判を失ったこと、多くの問題が解体したこと、価値を前にして存在の影が薄くなっていること、具体的な体験される実存と一体となろうと哲学が努めていることは、真実な変化が起こっていることのしるしである。」
――ジャン・ラクロワ『フランス現代思想の展望』1966年(野田又夫・常俊宗三郎訳『現代フランス思想の展望』人文書院、1969年)

「当時、われわれのあいだで一冊の本が大いに成功を博していた。ジャン・ヴァールの『具体的なものへ』である。
――サルトル『方法の問題』1960年(平井啓之訳『方法の問題』1962年)

紹介記事 
上村忠男氏短評(「週刊読書人」2010年12月17日付「36人へのアンケート 二〇一〇年の収穫」)
合田正人氏書評(「図書新聞」2010年7月10日付
加國尚志氏書評(「週刊読書人」2010年6月4日付)

目次
序文
第一部 書簡集によるウィリアム・ジェイムズ
I 青年期の手紙――ブラジル旅行――帰国 一八四二〜一八六七年
II ドイツ旅行――ケンブリッジへ帰る 一八六七〜一八七三年
III 二度生まれた魂 一八七〇〜一八七三年
IV 『心理学』、その完成――学説を求めて――ヘンリー・ジェイムズの死 一八七三〜一八八二年
V 多元論 一八八二〜一八八七年
VI 新たな不確実性 一八八七〜一八九五年
VII ブラッドの影響――再び多元論
VIII 個人主義
IX 体系に反対する
X 宗教的経験の多様性
XI 根本的経験論――ベルクソンの影響
XII 心理学と宗教哲学
XIII プラグマティズム
XIV 反-主知主義――『創造的進化』の読解――『多元的宇宙』
XV ジェイムズと自然――結論
第二部 ホワイトヘッドの思弁哲学
I  ホワイトヘッドの一般的態度
II 科学的唯物論の形成、その学説にたいする批判
III 空間と時間
IV 空間-時間――出来事あるいは抱握
V 因果的効果の様態
VI 有機体の哲学
VII 対象
VIII 対象のさまざまな種類
IX 永遠的エネルギーと価値
X 神
第三部 ガブリエル・マルセルの形而上学日記
I 精神の理論
II 感覚の理論
III 愛の理論
IV 感情的認識の現象学
訳者あとがき
人名索引

著者:ジャン・ヴァール(Jean Wahl)
フランスの哲学者。1888年5月25日にマルセイユで生まれ、1974年6月19日にパリで没す。1936 年から1967 年までソルボンヌ大学教授。その間、ユダヤ人強制収容所を体験し、アメリカにも亡命している。ヘーゲル、キルケゴール、英米多元論哲学、ドイツ実存哲学など、他国の思想を積極的にフランスへ導入した先駆者であり、市民に開かれた哲学の場「コレージュ・フィロゾフィック」を設立した教育者であり、詩人でもある。マルセル、バタイユ、サルトル、レヴィナスなど、20世紀フランスでの広義の実存主義に連なる一人。著書に、1946年『フランス哲学小史』(紺田千登史訳、ミネルヴァ書房、1974年)、1949年『実存主義的人間』(永戸多喜雄訳、人文書院、1953年)、1954年『実存主義入門』(松浪信三郎・高橋允昭訳、理想社、1962年)、1964年『形而上学的経験』(久重忠夫訳、理想社、1977年)などがある

訳者:水野浩二(みずの・こうじ)
1952年生まれ。北海道大学大学院文学研究科哲学専攻博士後期課程単位修得退学。博士(文学)。現在、札幌国際大学人文学部教授。著訳書に『サルトルの倫理思想』(法政大学出版局、2004年)、アラン・ルノー『サルトル、最後の哲学者』(法政大学出版局、1995年)、フランソワ・ダゴニェ『イメージの哲学』(法政大学出版局、1996年)その他。

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