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追悼の政治 忘れえぬ人々/総動員/平和
エルンスト・ユンガー=著
川合全弘=編訳

ジャンル :ドイツ文学、現代思想
刊行年月: 2005.1
四六判並製カバー装216頁
本体価格2400円
ISBN:4-901477-14-5

品切重版未定

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大戦の劫火からニヒリズムの超克へ

エルンスト・ユンガーは20世紀ドイツを代表する作家、思想家である。独自の政治的スタンスと美意識と魔術的リアリズムを兼ね備えた著作群によって、その名はいまなお毀誉褒貶に包まれている。
本書は、ユンガーの政治的エッセイの中でもとりわけ論争の的となっている4篇「忘れえぬ人々 まえがき/あとがき」(1928年)、「総動員」(1930年)、「平和」(1945年)を〈追悼の政治〉というテーマの下に独自に編集した、オリジナルのエッセイ集である。20世紀前半史における「いかなる揺れや振れをも最高度の精確さで記録した地震計」とも評されるユンガーの魅力にふれるには最良の書となろう。
18年ぶりの日本語訳!

紹介記事 
苅部直氏書評(「読売新聞」2005年3月20日付朝刊「本よみうり堂」欄)
福田和也氏評論「不本意な覚醒----ヴィットリーニのファシズム、ユンガーとナチズム」(「文學界」2005年7月号)
大宮勘一郎氏書評「追悼の政治とその光学」(「未来」2005年11月号)
大貫敦子氏書評(「DeLi [デリ] Deutsche Literatur」第6号[2006年8月1日発行])

目次
訳者序文「忘却されざる作家、ユンガー」

忘れえぬ人々 まえがき (1928年)
忘れえぬ人々 あとがき (1928年)
総動員 (1930年)
平和----ヨーロッパの青年への言葉、世界の青年への言葉 (1945年)

訳者解題「エルンスト・ユンガーにおける追悼論の変遷」

著者:エルンスト・ユンガー Ernst Jünger
1895年ハイデルベルク生まれ。
志願兵として従軍した第一次世界大戦の戦争体験を著述家としての出発点とし、日記文学『鋼鉄の嵐の中で』(1920年)によって登場。20年代後半から30年代前半にかけて、同世代の哲学者マルティン・ハイデガーや政治学者カール・シュミットとともに〈保守革命派〉の代表的知識人として活躍した。「総動員」等を収めた自選論集『戦争と戦士』(1930年)は、批評家ヴァルター・ベンヤミンが論文「ドイツ・ファシズムの理論」において批判したことでも知られ、主著と目される『労働者』は32年の〈文学的センセーション〉ともよばれた。33年1月にナチスが政権を掌握すると、ユンガーはハイデガーやシュミットとは異なり、ナチスと一線を画し、39年、小説『大理石の断崖の上で』を執筆。この作品が後に〈抵抗文学〉として評価されることになる。同年、召集を受け西部戦線へ赴き、さらに41年にパリに進駐。この頃書かれたパンフレット「平和」はひそかに読まれ、44年7月の反乱を起こした将校たちに影響を与えたという。ヒトラー暗殺計画発覚の折には、彼らとも微妙な距離をとっていたため、ユンガー自身は軍を罷免されるだけで済んだ。第二次世界大戦後は非ナチス化のアンケートの回答を拒否したことにより、4年間執筆禁止となるが、その後晩年まで旺盛な著作活動を展開する。50年にはハイデガーの60歳記念論文集にニヒリズムの超克を唱えた「線をこえて」を寄稿、それに対して55年にはユンガーの60歳記念論文集にハイデガーが「線について」と題した批判的応答を寄せるといった論争もあった。82年にはゲーテ賞を受賞し、93年にはコール、ミッテランといった独仏の政治家がユンガーのもとを訪れた。95年の100歳の誕生日にはペーター・スローターダイクやハイナー・ミュラーらによる記念論文集が刊行されている。
1998年没。

編訳者 :川合全弘
1953年生まれ。京都産業大学法学部教授。ドイツ政治思想史専攻 。

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